◆2008. 彼女達 ノ 笑顔 ページ1
Ｎｏ ｓａｉｄ.
ハッ、と我に返ったエペル・フェルミエはAを守るために彼女を後ろに退がらせる。
ファントムが数体、一斉に彼女達に襲いかかる。
するとヴィル・シェーンハイトは魔導書を開くと、自然にある物質・物体を操る魔法、アース魔法を発動させ、岩壁に触れる。 岩で作られた壁は徐々に拳へと形を変え、ファントム数体を一斉に穴へと吹き飛ばす。
ルーク・ハントは感心した表情を浮かべているが、１年組は口をあんぐりと開けたままだった。
ルーク「ボーテ！ 良い拳だったよ、ヴィル」
イヴ「い、今のアース魔法……ですよね？」
ヴィル「あら正解。よく分かったわね」
イヴ「友人がよく風が強い日にそれを利用して攻撃を放っているのをよく見るので。 でも、大丈夫ですか？ 見るからに大掛かりな魔法でしたけど」
ヴィル「アース魔法っていうのは、自然にあるものを利用し、操るだけの単純な魔法。威力は削がれるけれど、そこまでコストはかからない」
「解除してしまえば自然は自然に戻るしね」と、ヴィル・シェーンハイトが指を鳴らすと、壁から生えた拳は徐々に形成を崩し、壁へと戻っていく。
エペル「よ、よく見たら全然グリムクンじゃなかった」
ヴィル「まったく、軽率な行動は慎みなさいよ」
ルーク「収容所外でファントムに遭遇する回数が増えてきた。 下のフロアの収容所内で解凍が進んでいるようだね」
より一層、警戒心を煽られる。
いつ何時だって気は抜けられない。 心して、彼女達は��タルタロス��内を降る。
エペル「グリムクン、どこにいるんだろう。 ファントムに襲われていないといいけど……」
ルーク「大丈夫。彼はあれでいて度胸もあるし、賢い。きっとどこかに身を隠して難を逃れているさ」
ヴィル「ツナ缶をフォークで叩いて音を出せば、すぐに飛んできそうな気はするけどね」
イヴ「あはは！ お気に入りのツナ缶持ってくればよかったですね」
『あいつのことだから、ちょっとした匂いだけでも気づきそうだよね』
Aとイヴの笑顔に、少しだけ安堵し、表情を柔らかくさせるヴィル・シェーンハイト、ルーク・ハント、エペル・フェルミエ。
エペル「そういえばAサンとヴィルサンは、〈S.T.Y.X〉本部では、グリムクンと１度も会わなかったって言ってましたよね」
ヴィル「ええ」
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冬雪(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。次回の更新は少し時間を開けてしまいますが、待ってもらえたら嬉しいです。主人公のこと大好きになってくれて嬉しいです (2022年6月22日 9時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 今回も安定に面白かったです！主人公のどんな時でも冷静で余裕溢れてる感じが大好きです。1年組の支え合って成長していくのがNRCでは新鮮で可愛いですね💕頑張れ、少年少女達！ (2022年6月22日 2時) (レス) id: 8cb660ee08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2022年6月13日 0時
