□6.常闇踏陰 ページ6
.
飯田「君達！そろそろ消灯時間だぞ！！」
麗日「あ、ほんまや」
芦戸「んじゃそろそろ部屋に戻るか〜」
共同スペースでくつろいでいると飯田くんの声がけにより部屋に戻り始めるクラスメイト達。
麗日「白野さーん、そろそろ部屋に戻らんとやばいよー」
『……はい』
飯田「白野くん！くれぐれも夜更かしだけはしないように！」
『……はい』
「おやすみ」と言われたような気がする。
それから何分か経った時だった。
「白野」
呼ばれた気がして振り向くと常闇くんが立っていて「暇か？」と伺うため読んでいた本を閉じた。
『暇になりました』
常闇「なんか悪い」
『大丈夫ですよ。それより何か御用ですか？』
起きていたくて眠くならないように共同スペースで本を読んでいた私なのだが、どうやら時間を費やしすぎたため時刻は消灯間近だった。
どうりで周りには誰もいない筈だ。
なんか微かに麗日さんに「そろそろ部屋に戻らんとやばいよー」と言われたような気がするけど本に集中し過ぎて記憶が曖昧すぎる。
常闇「俺じゃなくてこいつがお前に用がある」
『え』
すると常闇さんの影から出て来た黒影。
なんだろう、手合わせでもしたいのだろうか
そう思いながら疑問符を浮かべていると黒影は恐る恐る小さな花を私に差し出した。
『……』
常闇「……」
ダークなシャドウがなんか花を持っていることに少々動揺してしてしまった。
シュールだが愛らしさを感じる。
ソファーの背もたれから身を乗り出して花を受け取ると、もじもじし始める黒影。
『(こんなキャラだっただろうか……)』
常闇「……言っておくがこれは俺の意思ではないからな。全てこいつの意思だ」
『わかっていますよ。ありがとうございます。凄く嬉しいです』
たしか部屋に空き小瓶があった筈だからそれに水を入れて挿しておこうと思っていると、黒影はすぐに常闇くんの影に戻ってしまった。
『戻っちゃいましたか』
常闇「照れているんだろうな」
『(そういえばなんで私なんかに花を渡したんだろ)」
渡すなら私より他に花が似合う人がいるというのに理解不能だ。
常闇「部屋に戻るぞ。もうすぐで消灯だ」
『あ、待ってください１人にしないでください突発的な暗闇は嫌いなんです』
常闇「突発的な暗闇ってなんだよ」
刹那、消灯時間がきたのか全ての照明が消える。
『……もう死ぬしかない』
常闇「大袈裟だろ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 84人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
人間 - すっごく面白いです！！頑張ってください！応援してます！（語彙力） (2019年9月6日 19時) (
レス) id: b33d8396d9 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 喰み娘さん» コメントありがとうございます。そういう使い方もありますね。アドバイスありがとうございます (2019年9月6日 18時) (レス) id: 5b22ab9dc3 (このIDを非表示/違反報告)
喰み娘(プロフ) - 下記とは関係のないご提案なのですが、6.常闇くんのお話の中にて「お花を水に入れて浸す」という表現をされていますが「浸す」より「挿す(サす)」の方が主様のご意向に添った表現になるのではないかと思いました。 (2019年9月6日 16時) (レス) id: b53e9bb8fb (このIDを非表示/違反報告)
喰み娘(プロフ) - 初めまして！個人的に1.緑谷くんとの話が好みです。ジ○リが好きなのも好印象だし夢主の夢が朝屋根の上でトランペットを吹くというのも笑えました。 (2019年9月6日 16時) (レス) id: b53e9bb8fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2019年9月1日 3時
