■20.不器用なんです ページ20
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『(……あ、猫)』
寮の前で立ち止まり、どこから迷い込んできたのか野良の黒猫と目が合った。
お互い見つめ合っていると「邪魔だ」と言われ振り返ると制服姿のしかめっ面の爆豪くんがいた。
『あ、爆豪くん奇遇ですね』
爆豪「……」
『今帰りですか？』
カチカチカチ
爆豪「関係ねぇだろ」
『私も今帰りです。しかし今そこで黒猫と目が合いまして』
爆豪「……」
『ほら、あそこに……』
カチカチカチ
黒猫がいた方向を見た時には猫は既にいなくなっていた。
『あれ？』
爆豪「……」
『おかしいですね、先程までいたのに』
カチカチカチ
爆豪「さっきからカチカチカチ煩ぇんだよ！！」
『あ』
私から缶を奪い取る爆豪くん。
プルタブを開けると私に突き返すという爆豪くんの行動に首を傾げながらも受け取る。
爆豪「プルタブくらい自分で開けれろや」
『……あぁ、開けてくれたんですね。ありがとうございます』
爆豪「誠意が感じられねぇよ」
『すみません。先程久方振りに表情筋を動かして顔が痛いんです。無表情で勘弁してください』
手先が不器用なためプルタブを開けることすら私にとっては難しく、幼少期から親に開けてもらっていたのだ。
『(まったく情けない話だ)』
ジュースを飲んでいると突然爆豪くんに右手を掴まれてしまい「どうしたんですか？」と首を傾げる。
爆豪「……これ、どうなってんだよ」
『掌ですか？見たいんですか？ちょっと待ってください』
左手には缶を持っているため口で包帯を外し、傷口を見せる。
『傷口がありますよね』
爆豪「……おう」
『傷口から血が垂れ……』
垂れた血に意識を集中させ剣の形を創り出し、手に握る。
『こんな風にして……』
飲み干した缶を空へと投げ、そして剣で斬る。
真っ二つになった缶は私の左手に落ちる。
『こんな感じです』
爆豪「……」
『タネも仕掛けもございません』
爆豪「マジックじゃねぇだろ」
『記念にどうぞ』
爆豪「ゴミなんかいらねぇよ」
記念品として真っ二つになった缶を爆豪くんに差し出せばペシッと頭を叩かれてしまった。
『冗談です』
爆豪「じゃなかったら缶ごとお前を爆破してるわ」
『容赦ないですね』
剣を液体に戻しながら自分の中へと吸い込ませ包帯を巻く。
『少しは手加減してください爆豪爆発くん』
爆豪「それだと俺が爆発してるみてぇじゃねぇか」
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人間 - すっごく面白いです！！頑張ってください！応援してます！（語彙力） (2019年9月6日 19時) (
レス) id: b33d8396d9 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 喰み娘さん» コメントありがとうございます。そういう使い方もありますね。アドバイスありがとうございます (2019年9月6日 18時) (レス) id: 5b22ab9dc3 (このIDを非表示/違反報告)
喰み娘(プロフ) - 下記とは関係のないご提案なのですが、6.常闇くんのお話の中にて「お花を水に入れて浸す」という表現をされていますが「浸す」より「挿す(サす)」の方が主様のご意向に添った表現になるのではないかと思いました。 (2019年9月6日 16時) (レス) id: b53e9bb8fb (このIDを非表示/違反報告)
喰み娘(プロフ) - 初めまして！個人的に1.緑谷くんとの話が好みです。ジ○リが好きなのも好印象だし夢主の夢が朝屋根の上でトランペットを吹くというのも笑えました。 (2019年9月6日 16時) (レス) id: b53e9bb8fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年9月1日 3時
