【ツイステ】悪役だけを。◆３４◇ (ページ49)

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◆1637.君に贈るページ49

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『おお。いい感じのランプ発見』

「おっ。嬢ちゃん、いい物に目をつけたね。そのランプは熱砂の国の伝承にあるランプの魔人が入っていたランプを模した物でね。ランプの持ち主の願いを叶えてくれるとかくれないとか」

『曖昧すぎない？』

店内から顔を出した店主が曖昧なことを言う。

なんでも、何年か前に旅行で来た奴が代金の代わりにこれを代わりに置いていったとかなんとか。

「それ、もう何十年も売れ残っていてね。貰い手が欲しかったんだよ。嬢ちゃん可愛いし、特別にサービスするよ」

『えっ、本当？』

「買う時は声をかけてくれ」

そう言って店主は店の中へと戻って行った。

マレウス「男のフリをしなくていいのか？」

『こういう時こそ、自分の性別を利用するのさ。嘘はついてないしね』

マレウス「悪い奴め」

『褒め言葉〜』

互いに悪い顔をして笑い合い、『気に入ったし、記念品として買ってこよう』と言えば、何故かツノ太郎にランプを取り上げられた。

マレウス「では、これは僕から贈ろう」

『んぇ？』

マレウス「その代わり、お前は僕に何か贈れ」

『突然過ぎない！？』

マレウス「ダメか？」

『別にいいけど……急にどったの？』

マレウス「先程、＂ラクダバザール＂でシルキーメロンを食していた時にお前が言った＂確かな物に繋がれた絆＂という言葉」

……言ったような……言ってないような……。

マレウス「ちゃんと言い表せないが、胸にストン、と落ちたような気がしてな。物ならば、大切にしていれば永久に朽ちることはない。保護魔法をかけていれば、色褪せることもない」

『(便利だな)』

マレウス「お前は今でも、元の世界に帰りたいと願うのだろう？」

『……』

マレウス「その時が来たとして、離れ離れになったとしても、お互い贈ったものを見れば、いつでも思い出せるだろう」

僕はツノ太郎を見た。

そんな風に思ってくれるのか。
そんな風に大切にしてくれるのか。

マレウス「嫌か？」

『いんや。
君はつくづく、僕らのことを気に入ってるんだなあって思っただけだよ』

マレウス「……ああ。そうなのかもしれない」

ツノ太郎の顔が綻んだ。

本当に嬉しそうだ。
今の表情なら１８歳と言っても誰も疑わないだろう。それぐらい、年相応な表情を浮かべている。

『……ありがと。マレウス先輩』

マレウス「……偶には良いな、そっちの呼び方も」

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