◆1633.独特な味 ページ45
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ケイト「トレイくん、市場を行ったり来たりしてなに探してるの？」
トレイ「あぁ、完熟トマトのフレッシュジュースをな。リリアへのお土産用に」
ケイト「リリアちゃん、トマトジュース好きだもんね！」
マレウス「熱砂の国の野菜は品質が良いと聞く。 あいつも喜ぶだろう」
どうやらトレイ先輩はリリア先輩の土産用にトマトジュースを探しているようだ。
よかった。トマトジュース買わなくて。
トレイ「しかし、��ラクダバザール��にはたくさん売っていたんだが、こちらでは見かけないんだ」
イヴ「たしかに此処では野菜類はあまり見かけていませんね。あったとしても、野菜チップスなどの加工品ですし」
トレイ「失敗したな。あそこで買っておけばよかった。 ……仕方がない。あきらめて、別の物を買うことにするか」
『あれまぁ』
マレウス「なににするつもりなんだ？」
トレイ「料理に使う、スパイスにしようかな」
それを聞くと、何故かツノ太郎は目を張り、不穏な表情を浮かべた。
トレイ「リリアは時々料理をするんだろう？ よく教室でシルバー達に作っているって話していた」
ケイト「それいいかも！ 日常的に使う調味料なら、喜んでくれるんじゃないかな」
トレイ「この赤トウガラシや、乾燥ミントは熱砂の国の定番スパイスらしい。オリーブオイルやナッツオイルも、有名だ。それと、ザクロのドレッシングも……」
マレウス「……待て」
商品を手に取ろうとしたトレイ先輩の腕を掴んだツノ太郎は神妙な面持ちをしていた。
トレイ「どうした、マレウス？」
マレウス「２人は、リリアの料理を食べたことはあるか？」
トレイ「食べたことはないな」
ケイト「オレも！ Aちゃんとイヴちゃんはよくリリアくん達と話してるけど、食べたことある？」
『食べたいとは思ってるんだけど、セベクに��リリア様の料理が僕が食べる！！��って』
イヴ「お菓子を出された時があったけど、セベクくんに全部食べられちゃったよね」
『そういえばあの時、セベクの顔、めちゃくちゃ青かったなー』
ケイト「どーいう状況？」
遠ざけられている理由はよくわからんが、シルバー先輩にも��食べるなら覚悟したほうがいい��と真顔で言われたことがある。
ケイト「マレウスくんは、もちろん食べたことあるんでしょ？」
マレウス「あぁ。 リリアの料理は……言葉ではいい表せないほど独特な味なんだ」
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作者名：冬雪
| 作成日時：2021年9月7日 0時
