【ツイステ】悪役だけを。◆３４◇ (ページ43)

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◆1631.土産の定番ページ43

イヴ.

ケイト「あれ？マレウスくんがいないよ？」

カリム「……あ！あそこの店から出てきた！リリアへのお土産、まだ見つからないのかな？」

名産物を扱うお店から出てきたツノ太郎くん。

けれど良い物が見つからなかったのか、表情が晴れやかではない。

ケイト「マレウスくんはリリアちゃんと付き合いが長いしね。妥協したものを買いたくないんだろうな〜」

トレイ「学園に戻ったら、マレウスが真剣にお土産を運んでたってリリアに教えてやらないとな」

その気持ち、なんだかわかるなあ。

お世話になってる人や、大事な人にはたしかにちゃんとした物を贈りたい。

ジャミル「マレウス先輩。なにかお困り事ですか」

マレウス「誰かのために土産を買うのは初めてなんだ。なかなか難しいな」

イヴ「ツノ太郎くんからの贈り物ならリリア先輩、なんでも喜びそうだけど……」

『熱砂の国ならではの特産品とかは？よくあるじゃん。地区によってデザインが違うフィギュアとか』

マレウス「リリアは、観光地のペナントを集めているから探してみたのだが……ここには無いようだ」

トレイ「ペナント……？聞いたことがないな」

＂ペナント＂

その土地の観光名所などが刺繍されている細長い三角の形をした旗のこと。

聞いたことはあるけれど、実物は私も見たことないな。

マレウス「リリアに聞いたのだが、どうやら土産の定番らしい。僕もリリアからよく貰うから、寮の部屋に飾っている。織物が盛んな国だから、ペナントはピッタリな土産と思っていたのだが……」

「定番商品だったのは、かなり昔のことだよ」

みんなで悩んでいると、私達の話を聞いていたのか、露店の店主さんがそう言った。

「今時、どの店でも置いていないと思うな」

マレウス「それは残念だ……」

『でもおっちゃん、テレビとかではよく見るよ』

「そりゃあテレビだからだよ。最近の若い人達はどうやら壁に何か貼るのが嫌らしくてね。それで売れなくなっちまったのさ」

たしかに私も壁に何か直に貼るっていうのはないかも。最近じゃマグネットや、写真ならスマホがあるし。

ゴーストカメラで撮ったものは大切にアルバムにしまっておく方だし。

ジャミル「織物……では、これはどうでしょう？」

ジャミル先輩が差し出したのは、とても派手なシャツだった。

マレウス「華やかなデザインのシャツだな」

『すっごい派手っすねー』

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