◆1623.誰にも言わない ページ35
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ナジュマ「大丈夫だよ、ジャミル。
お母さんとお父さんにはまだ言わないでおいてあげるから」
ジャミル「だから、お前が思っているようなことはない、」
ナジュマ「あ！ もう、こんな時間じゃん！」
ジャミル「話を聞けー！！」
なんかバイパー兄妹が騒いでいるが、どうしたんだろうか。
ナジュマ「私、ここでお別れするね」
イヴ「え、もう？」
ケイト「えー、せっかくだし、一緒に回ろうよ。 映えスポットももっとたくさん教えて欲しい！」
ナジュマ「あはは、ありがとうございます！
でも友達と連絡がついたので、今から合流します。昼間はこっちに来ちゃって遊べなかったから、夜の花火は一緒に見なくっちゃ」
『そっか。それなら仕方ないね』
ナジュマ「……」
ナジュマちゃんは、何故か僕とイヴのことをじっ、と見た。
そしてニコッと笑った。
ジャミル「羽目を外しすぎるなよ」
ナジュマ「もー！ お父さん達みたいなこと言わないで」
ジャミル「……まあ、それもそうだな」
ナジュマ「……あ、今日は家に帰ってくるよね？」
ジャミル「もちろん。祭りが終わって、みんなをカリムの家まで送ったら戻るよ。明日には学園に帰るけどな」
ナジュマ「それじゃ、カレーを用意して待ってるね！屋台料理を食べ過ぎないでよ。
……それと、私、本当に誰にも言わないから」
ジャミル「……あぁ。助かる」
……なんの話だろう
ナジュマ「みなさんも、��ヤーサミーナ河 花火大会��を楽しんでくださいね。今度は家にも遊びに来てください。 それでは、また！」
そう言って、駆けていくナジュマちゃんに手を振って見送る。
本当に良い子だったな。
どっかの兄とは大違いだ。
顔や雰囲気はめちゃくちゃそっくりだったけど。
ジャミル「さて……みなさん、次はどこに行きますか？」
トレイ「……ん？ マレウスはどこだ？」
落ち着いたのも束の間、それぞれ冷静になって周りを見渡すが、あのツノが生えた高身長が見つからない。
そしてそれぞれ顔を見合わせ、乾いた笑みを浮かべ、
ジャミル「……いない！！！」
ケイト「えーっ！？ マレウスくんが迷子になっちゃったってこと！？」
トレイ「マレウスが事件に巻き込まれたりしたら、熱砂の国と茨の谷の外交問題に発展するぞ！」
『んなアホなぁ！！』
イヴ「ど、どど、どうしましょう！」
ジャミル「……心配するな。俺にまかせろ」
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作者名：冬雪
| 作成日時：2021年9月7日 0時
