【ツイステ】悪役だけを。◆３４◇ (ページ32)

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◆1620.安心させるためページ32

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トレイ「砂糖を一切使っていないのに、これほどの甘味があるとは驚きだな。新作菓子に使ったら面白いものができそうだ。自然な甘さと食感が、良いアクセントになる」

グリム「お菓子作りをする時には、オレ様を呼べよ。味の評価をしてやるゾ！」

ケイト「グリちゃんは、ずっと食べていたいからって、美味しくてもダメ出しばっかしそうだね」

ただの迷惑モンスター。

トレイ「それは困るな。
グリムの評価は当てにしないことにするか」

イヴ「どんどん信用がなくなっていくよ、グリムくん……」

ケイト「低カロリーっていうのもポイント高いよね。人気になりそう。
＃罪悪感ゼロ＃天然スイーツ＃体に優しいごほうびタイムってカンジ！」

マレウス「デーツのシロップというのも気になるな。氷菓にかけたら、さぞ美味いだろう。今後クローバーやA達に作ってもらうのもいいかもしれない」

『１度、ツノ太郎も自分で作ってみれば？自分が食べたいものを１番わかってんのは自分なんだし』

マレウス「ふむ。確かに一理あるな」

ケイト「あれ、ジャミルくんは食べないの？」

僕達から少し離れた場所に立つジャミル先輩。

僕らが食べているデーツには虫など一切付いていないというのに。

ジャミル「あの一件以来、デーツを食べられなくなったんです。見るのも嗅ぐのもダメで……あの光景を思い出してしまう……」

トレイ「そ、そこまでなのか……」

『君って弱点多いよな』

他の種類のドライフルーツに夢中なイヴ達をジャミル先輩と一緒に離れた場所で見ていると「君は見に行かなくていいのか？」と僕の顔を覗き込むジャミル先輩。

『１人にしてたら虫が飛んできた時に守れないだろう？』

ジャミル「……君、ほんといい性格してるよな」

『君ほどではないよ。
君が安心できるように、手を繋いでやろうか？』

ジャミル「……」

冗談のつもりで、自分でもわかるくらい意地の悪い笑い方をしながら手を差し出したのに、ジャミル先輩はキュッ、と僕の手を握った。

『……ジャミル先あぁっ！？』

握られている。
それはもう強い力で。

持ちうる握力全て活用しているんじゃないかと思うくらい強い力で握られている。

『痛い痛い痛い痛い！！離せこの野郎ぉぉおおおおお！！』

ジャミル「俺を安心させるために手を握っていてくれるんだろう？」

ジャミル先輩はムカつくほどの良い笑顔を浮かべていた。

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