【ツイステ】悪役だけを。◆３４◇ (ページ19)

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◆1607.確かな物に繋がれた絆ページ19

イヴ.

トレイ「俺も、そういうのは苦手だな」

グリム「そんなことよりアイスが溶ける前に全部食っちまわねーと！じゅるるっ、じゅるるるるっ」

イヴ「グリムくんはしたない！」

食べるというより飲み込んでいるグリムくん。

汚れまくった口の周りをウェットテッシュで拭こうとすればAちゃんも飲み始めた。

ケイト「全員に拒否られた！もー、みんな素直じゃないなー」

ナジュマ「変なの。写真くらい写ってあげればいいのに。
ねぇ、ジャミル。みんな、ケンカでもしてるの？」

ジャミル「そんなことはない。俺達は普段からこんな感じだ」

ナジュマ「ナイトレイブンカレッジって随分変わってる学校なんだね」

小声で喋るナジュマちゃんとジャミル先輩のそんな会話が私の耳に入ってきた。

たしかに、結構変わっている。
男子校、というのもあるんだろうけど、殆どの人が＂友情とか恥ずい＂＂１人の方が気楽＂＂必要最低限の利用できる奴とは関わっておこう＂という考えを持っているため、変わっているというより、面倒くさい人が多い。

ケイト「シルキーメロンの効き目が出るのは、まだまだ先みたい〜」

イヴ「そ、そんな落ち込まないでください、ケイト先輩！」

ケイト「じゃあ、イヴちゃん一緒に写真撮ってくれる？」

イヴ「えぇっ！？えっと……」

ケイト「泣いていい？」

『まぁ、そんな落ち込むな、ケイト先輩』

ケイト「Aちゃん……」

メロンを食べ終えたのか、口の周りがすごいべちょべちょなAちゃんは、穏やかな顔でケイト先輩に告げた。

『写真やメロンで繋がれた絆よりも、もっとたしかな物に繋がれた絆の方がいいに決まってる。
僕らの友情はこんなんで繋ぎ止められるほど弱かねえだろ！！』

マレウス「……！」

ケイト「きゃー、Aちゃんかっこいー！！」

イヴ「Aちゃん、口の周り拭こうね」

ジャミル「説得力がなさすぎる」

とても良いことを言っているはずなのに、今の見た目のせいで全然説得力が無かった。

私はAちゃんの口の周りも拭いてあげることにした。

マレウス「……」

トレイ「ん、どうした？マレウス」

マレウス「……いや、いい言葉だな、と思ってな」

トレイ「Aのか？」

マレウス「＂確かな物に繋がれた絆＂。それがなんなのかわからんが、それが良いに決まっている」

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