◆1473.かくしん ページ29
ジャミル.
フロイド「かくしんー？」
ジャミル「遠慮せず、Aのこと狙ってもいいんだな？」
フロイド「……は？」
ジャミル「冗談だ。カレーの様子を見てくる」
ぽかん、とした間抜けな表情を浮かべるフロイドを置いて、その場に後にする。
こう言っておけば少しはフロイドも仕事をサボらずに動いてくれるだろう。
まったく。見ていてむず痒い奴らだ。
好意が隠しきれていない。カリムよりもわかりやすい。
自分達の方に引き摺りたいのなら、もう再会した時から手を出しておけば良かったのだ。
今の彼女達には一体どれほどのヤバい奴らが囲っていると思っているんだ。
特にA
彼女次第だが、いつ、誰かの手を取るのかわからないし、自由奔放な彼女がいつ、俺達のもとから消えるかわかったもんじゃない。
ジャミル「(……ああ、そういえば、先日エースはこんなことを言っていたな)」
あれは先週の事だ。
Aとイヴが学園長に��元の世界に帰る方法��を催促している場面を偶然、俺とエースは見てしまったのだ。
その時、エースは「……なんだ、まだ諦めてなかったんだ」と呟いた。
背筋が一瞬で凍った。
あいつは自然と、当然の事のようにそう呟いたのだ。
＿＿ジャミル「お前は止めたいのか？」
エース「まぁ、あいつらが帰ったらグリムやデュースが泣いちゃうだろうし？
てか、あいつらもなんだかんだ、元の世界よりもこっちの生活の方が楽しそうじゃないですか。
先輩だって、わかるでしょ？」
＿＿ジャミル「それは……」
＿＿エース「曖昧にしか覚えていない元の世界よりも、こっちの世界の生活の方があいつらには合ってるんですよ」
「あ、これ言ったことはあいつらには内緒にしてくださいよ？ 喧嘩になったら面倒なんで」と笑うエースの顔は今でも鮮明に覚えている。
ああ、本当に可哀想な奴だ。Aという女は。
『あ、ジャミル先輩。カレー、一応教えてもらった通りに作ってるけど、合ってる？』
ジャミル「……」
『……な、なんだい？ 僕の顔をじっと見て……』
見れば見るほど普通の女子だというのに。
仕方ない。もともと、一部じゃ底無しの明るさや、温かい優しさなどで��そういう��意味で人気がある。
ああ、本当に厄介だ。
厄介で、煩わしくて、目が離せない。
ジャミル「本当に君は厄介なのにしか好かれないな」
『え？』
.
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冬雪(プロフ) - レイさん» 誤字報告ありがとうございます (2021年6月18日 19時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 1481話で夢主ちゃんのナレーションがバスケ部になっています！多分陸上部？小説楽しませてもらってます！ (2021年6月18日 16時) (レス) id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - アヤさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2021年6月2日 20時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - 本当に面白くてもう何回も読み返してます！！ですが無理の無い範囲で更新頑張って下さい!応援してます(*´ー｀*) (2021年6月2日 20時) (レス) id: 4799a50d98 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - あさん» 申し訳ありませんが今のところ考えていません (2021年5月19日 10時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2021年5月14日 0時
