◇1388.親しいと思う人 ページ39
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「たとえば、今煮込んでいる具材があるでしょ？デミグラスソースの代わりにトマトジュースを入れたら、トマトシチューが完成するってわけ」
シルバー「……トマトジュースは父の好物です。 トマトジュースをソースの代わりに……親父殿が気に入って食べてくれるかもしれないな」
そう言って、優しく微笑むシルバー先輩。
この男は父親のことやツノ太郎のこと……自分にとって親しいと思う奴の話をする時だけは硬い表情を崩して柔く微笑む。
すると、圧力鍋の方から電子音が鳴った。
シルバー「なんの音だ……？
ああ、もう調理が終わったのか」
「圧力鍋の蓋を開けてごらん。火傷しないように気をつけてね」
シルバー「はい」
圧力鍋の蓋を開けると、美味そうなビーフシチューの匂いが鼻をくすぐる。
鍋の中身を除けば、野菜も肉もしっかり煮えており、誰が見ても美味そうに出来ており、自然と腹が鳴りそうだ。
「さあさあ、仕上げに取り掛かるよ」
味付けはさっき温めたデミグラスソースと、ケチャップ適量。
皿によそって、茹でたブロッコリーを添えれば完成だ。
イヴ「わっ、すごく美味しそうですね！」
シルバー「一口味見したが、美味かった。自分でも上手く作れた、と思う」
「なかなかの出来じゃないか！
さあ、料理を持って審査員のところに行こう」
シルバー「……」
リドル「？ どうしたんだい、シルバー？」
シルバー先輩はじっ、と皿によそったビーフシチューを見つめていた。
シルバー「味も見た目も申し分ない。自分の中でも上手く作れたと思ってる。 ……しかし、食べてくれるだろうか、と思って」
イヴ「自信無くすの早過ぎません！？」
シルバー「審査員席にマレウス様が座っているのかと思うと……くっ、心臓が痛い」
リドル「彼が来たのは一昨日だよ。２日に１回のペースで来ないと思うけど？」
『僕ならすぐに食べたいって思うけどなぁ』
シルバー「！」
思ったことを言えば、シルバー先輩は僕を見て目を張った。
目が合ったため、僕は笑い返した。
『食べようとしなかったらとりあえず口に突っ込めばいいんですよ。お残しは許しまへんでー、つってね』
イヴ「ちゃんと食べてくれないどころかシルバー先輩が失格になっちゃうよAちゃん……」
まあ、冗談だけど。
ふとシルバー先輩の方を見れば、シルバー先輩は微笑んでいた。
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◇1389.明らかなる人選ミス→←◇1387.生涯一緒にいたい人
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冬雪(プロフ) - 瑠奈さん» コメントありがとうございます。笑ってもらえて嬉しいです (2022年7月31日 22時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - ジグソーパズルwww (2022年7月31日 21時) (レス) @page48 id: f6c02603c1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - パラディさん» すみません。何故かリンクできなくなっていましたね。リンクできるようになったので良かったらどうぞ (2021年4月17日 20時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
パラディ - 続きはいつ投稿されるでしょうか…？続きが気になってしまって…でも無理せず頑張って下さい! (2021年4月17日 20時) (レス) id: 4799a50d98 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - アヤさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2021年4月12日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2021年2月24日 0時
