◇1376.自立した子供 ページ27
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『(さてさてさーて、グリムは何が食いたいんだか)』
僕とイヴは手伝いをする前に賄いを食べたため、それほど腹は空いていない。
しかし寮には腹を空かせた暴食モンスターが待っているため、夕飯を作らなければならない。
どうせまた、
「オレ様ツナがいい」
とかほざくんだろうが、そろそろ好きな物だけ食べるというのは止めたほうがいいだろう。
栄養とか諸々、良くない。
モンスターに栄養とかそーいう概念があるのかは知らんけど。
『ってことで、何がいいと思います？ リドル先輩』
リドル「……それ、ボクに聞くのかい？」
厨房に入ると、１人でレシピ本を凝視しながら練習をしているリドル先輩が居たため、聞いてみる。
『参考までにですよ。この世界に来てからずっと僕とイヴは自炊してきたので毎回違うの考えるの大変なんですよ。グリムはツナ缶さえあればなんでもいいらしいですけど』
リドル「キミ達は本当に立派だね。ボクより歳下なのに、もう既に自立しているようなものじゃないか」
『そんなことないです。 僕らがこうして上手くやれているのはいろんな奴らの助けがあるからこそなんですよ』
家族がいない世界で、心細いだろうに頑張っている君達は立派だとか、魔法が使えないのに魔法学校の勉強についていけている君達は偉い、賢いとか、よく言われてきた。
その褒め言葉は素直に嬉しいとは思ったが、若干僕には嫌味に聞こえていた。
『(可哀想とか、思われたくないんだよなぁ……)』
調理をしているリドル先輩の背中を見ながら、僕は椅子に膝を抱えて座った。
こちとら悲劇のヒロインを演じているわけじゃないんだ。 どちらかといえば喜劇のヒロインを演じたい。どんな状況でも前向きに笑い飛ばしたいのだ。
リドル「でもその料理のスキルは自分で習得したんだろう？」
『どうなんでしょう。料理を好きになったきっかけなんて覚えていませんし』
リドル「キミ達からしたら、ボクの調理を見てて呆れたんじゃないかい？」
『……』
リドル「適量もわからない、力加減もままならない、料理の経験がないくせに細かい。教えるのも嫌になるだろう？」
リドル先輩はこっちを見ずにそう言った。
リドル「あまり出来ないところは見られたくないんだ。お母様はボクが出来るようになったら喜んでくれるんだ。完璧になって、認められる。
……ずっと、そうだったし」
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◇1377.プライド高め→←◇1375.おばけさんが帰る場所
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冬雪(プロフ) - 瑠奈さん» コメントありがとうございます。笑ってもらえて嬉しいです (2022年7月31日 22時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - ジグソーパズルwww (2022年7月31日 21時) (レス) @page48 id: f6c02603c1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - パラディさん» すみません。何故かリンクできなくなっていましたね。リンクできるようになったので良かったらどうぞ (2021年4月17日 20時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
パラディ - 続きはいつ投稿されるでしょうか…？続きが気になってしまって…でも無理せず頑張って下さい! (2021年4月17日 20時) (レス) id: 4799a50d98 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - アヤさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2021年4月12日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2021年2月24日 0時
