◆995.惑わすもの ページ8
ジェイド.
『っやめろ！！！』
ジェイド「＿＿！」
ゲスト達を押し退け、フロイドを庇うように立ったのは、フードを深く被っているけれど、それは紛れもなく、
Aさんだった
『本当に懲りないな、君らは』
「なんのこと？」
「てかなにこの子。なにかの演出？」
『今すぐここから出て行ってくれ。正直他の客にも迷惑だ』
「え〜、でもまだ写真撮り足りないし〜」
「あ、君もこの学園の生徒でしょ？一緒に写真撮ろうよ〜」
『断る』
Aさんがそう言った刹那、ここは海でもないのに何故か、
彼女の背後に今にでも僕達を飲み込みそうな波が現れた。
「う、うわぁぁぁぁあああああ！！？」
「津波だ！！！」
「早くここから出よう！！」
ゲスト達は早急に魔法薬学室から出て行き、扉の前に立っていたイヴさんが扉を閉めた。
「お、おい！ なんで扉を閉めるんだ！？」
「そうだ！もう波がそこまで……」
イヴ「？ 波なんて、どこにあるんですか？」
イヴさんが首を傾げてそう言うものだから、僕達はもう一度、Aさんの方に振り向いたけれど、
そこには本当に波なんてものはなく、魔法薬学室の壁と、床一面に散らばったセットだけがあった。
「ど、どうなってんだ！？」「幻覚！？」と戸惑う寮生に、申し訳なさそうな表情をするイヴさん。
イヴ「す、すみません……。実は、道具を使ったんです」
アズール「道具？」
イヴさんが僕達に見せたのは体層が丸く、長い水管が下方へ出ており、黄色のビロード状の殻皮で覆われている貝殻だった。
クルーウェル「ちょっと貸してみろ。……これは��幻覚の貝殻��だな。耳に当てて対象に幻覚を見せる魔法道具だ。何故お前が持っている？」
イヴ「校長先生が持たせてくれまして……」
クルーウェル「……」
クルーウェル先生はいろいろと察したのか、頭を抱えた。
……そうだ、フロイド
フロイドが倒れた方に向き直ると、Aさんが『大丈夫かー？』と、倒れてボーッとしているフロイドの顔色を伺っていた。
フロイド「……だ」
『？』
フロイド「もうやぁぁぁだぁぁああ！！」
キャパというキャパがオーバーしたのか、その場でじたばたと暴れるフロイド。まるで陸の稚魚のようだ。
ああ、でも……
ジェイド「(無事でよかった……)」
『駄々を捏ねるな』
フロイド「だってぇ……」
.
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冬雪(プロフ) - 瑠奈さん» コメントありがとうございます。頑張ります (2022年7月19日 0時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 作者さん！！僕この小説めっちゃ好きです！これからも頑張ってください応援してます！ (2022年7月18日 23時) (レス) @page13 id: f6c02603c1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - Rena．さん» コメントありがとうございます (2021年1月15日 5時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
Rena．(プロフ) - 999話があのジャミルのドッカーンで笑いました。最高です笑 (2021年1月15日 1時) (レス) id: 1c1efba1d7 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - サイコパス人間さん» ありがとうございます。頑張ります (2020年12月20日 1時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年12月1日 0時
