◆522.天然タラシ ページ43
ジャミル.
『なんで頭叩いた!?素直にお礼を言っただけなのにさ!』
デュース「いや、なんか……」
エース「叩きたくなった」
『……』
Aは立ち上がると、目元にスペードの模様がある男を蹴って泉に落とし、目元にハートの模様がある男の腕を掴んでそのまま振り上げ、泉に戻した。
ずっと遠くから見ていたが、なんだあのアオハル感
見ているだけでむず痒い。
しかし今の光景を見て確信した。
ジャミル「Aは天然タラシだな」
カリム「タラシってなんだ?」
ジャミル「……」
振り向けば「なあ、タラシってなんだ?」と純粋な目で問いただしてくるカリム。
教えるのも面倒だし、コイツと関わるのも面倒だ。
ジャミル「お前は知らなくていい」
カリム「そうか?」
ジャミル「だが、これだけは言っておく。くれぐれもAに口説き落とされるなよカリム」
カリム「んー、よくわかんねぇけど、わかった!」
カリムはそう言うと、A達の方に目を向ける。
『あっはっはっはっは!ザマァねーなー!』
エース「オマエ……ほんとっ……可愛くねー!」
デュース「お前も道連れだA!」
『え』
スペードの男がAの足を掴んで泉に引き摺り込んだ。
「Aちゃん!?」と顔を青くしたイヴが駆け寄るが、当の本人達は泉の中で大笑いしている。
カリム「……楽しそうだな、アイツら」
ジャミル「(バカ騒ぎする小学生に見える)」
カリム「……いいな……」
ジャミル「え……?」
カリムが言った言葉に耳を疑う。
カリム「同い歳のヤツの前だと、Aはあんな風に笑うんだな」
ジャミル「……」
カリム「なんか、Aの友達が羨ましいよ……」
カリムは俯かせながらそう言うと、パッ、と顔を上げて「仲良きことは美しきかな、ってこういうことなんだな!」と笑う。
そして「A達のところに行ってくる!」と泉の方へと走り出すカリム。
ジャミル「……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
肺の底から溜息を吐きながら、俺は頭を抱えた。
どうやら手遅れだったらしい。
グリム「オイ、頭を抱えたりなんかしてどうしたんだゾ?」
イヴ「どうかしましたか?」
ジャミル「……」
顔を上げるとイヴとグリムが立っていた。
ジャミル「……頼むから、Aにこれ以上誰彼構わず口説かないように言っておいてくれ」
イヴ「え」
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冬雪(プロフ) - ブルーサファイアさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月4日 18時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーサファイア(プロフ) - 507話の『お前の宴好き、なんとかならないのか?』のところなんですけどアズールのセリフになってますが喋り方からしてジャミルではないでしょうか? 何度も読み返してます!頑張ってください! (2020年10月4日 15時) (レス) id: bd3a10c6c4 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - moekaさん» ◆15◇のProfileで詳しく書いたつもりのものがありますのでそちらへお願いします (2020年8月25日 17時) (レス) id: cd043d76e1 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - それぞれの監督生の性格などが詳しく知りたいです。検討をお願いします。 (2020年8月25日 16時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 冬雪さん» ありがとうございます(*´▽`*) (2020年7月29日 10時) (レス) id: ebf2abea67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬雪 | 作成日時:2020年6月24日 0時