◇473.朝食の準備 ページ43
イヴ.
フロイド「あー、そこの小魚ちゃん。それまだ仕上げの調味料かけてないから運ばないで」
「し、失礼しました!」
「オーブンに入れてた野菜、焼き上がりました」
イヴ「それはもう味付けされているのでテーブルに並べてもらって構いませんよ」
ジャミル「ちょ、朝食の準備が済んでいる、だと……!?」
イヴ「あ、ジャミル先輩。おはようございます」
出来上がった料理をテーブルに並べていると、ジャミル先輩が出入り口の前で立ち尽くしていた。
その側に引き摺られたりでもしたのか、ジャミル先輩の腕を掴みながら床に座り込んでいるAちゃんもいた。なにがあったんだろうか。
ジャミル「これは、君達がやったのか、イヴにフロイド」
フロイド「ウミヘビくん、おはよ〜。そ、オレとイヴとスカラビアの小魚ちゃん達が作ったんだ」
イヴ「アズール先輩がジャミル先輩を助けてあげたいと提案なさったので、私達はそのお手伝いです」
ジャミル「そんっ……、そんな、客人を働かせるわけには」
フロイド「別にオレら客ってわけでもなくね?」
「合宿相手じゃん」とフロイド先輩が切り捨てるとジャミル先輩は少し口籠る。
ジャミル「でも、カリムは俺が作ったものしか食べないんだ。毒の心配があって……」
イヴ「え!?そ、そうだったんですか!?」
フロイド「は〜?なにそれ。オレより偏食かよ。つか毒とか入れねーし」
『じゃあ、ジャミル先輩が毒味すればいんじゃないかな?』
いつの間に私の隣に立ったのか、Aちゃんはいつ持ったのか、スプーンで私が持っていた料理を掬うと、それをジャミル先輩の口に無理矢理押し込めた。
ああ……Aちゃん、そんな乱暴に……
『どう?美味いでしょ?』
ジャミル「……たしかに、美味いし、毒も入っていないが」
『なんか知らんけど、フロイドは料理上手いし、イヴもラウンジの厨房に立つ程料理上手いから、味の保証は出来るよ。
それに、ジャミル先輩のお墨付きならカリムも食うだろうし』
ジャミル「それは、そうかもしれないが……」
すると、他の寮生の人達が料理を持って味見してもらおうとジャミル先輩の周りに集まりだした。
フロイド「Aってば強引〜」
『君らに言われたくな〜い』
イヴ「Aちゃん、あっちは大丈夫だった?」
『とりあえず予定通り。多分、もう少しで来るよ』
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冬雪(プロフ) - 瑠奈さん» 誤字報告ありがとうございます (2022年7月6日 9時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 452話でフロイドの発言のとこジェイドになってますよ (2022年7月6日 8時) (レス) @page22 id: f6c02603c1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - かささん» 誤字報告ありがとうございます (2021年6月14日 19時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
かさ - 454話のジャミルの発言でリーチ兄妹になってますよ。 (2021年6月14日 19時) (レス) id: 1eba2fdd86 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 朔さん» ご報告ありがとうございます (2021年2月5日 9時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬雪 | 作成日時:2020年6月13日 0時