◆269.タコ足の人魚 ページ31
アズール.
ハッ、と目を開けると、ジェイドとフロイドが僕の顔を覗き込んでいた。
フロイド「あ、目ぇ覚ました」
ジェイド「アズール、この指は何本に見えますか」
アズール「８……本？」
ジェイド「うん。
まだ気が動転しているようですね。
でも、よかった」
そう言ってジェイドは安堵したように微笑む。
アズール「A、さんは……」
『呼んだ？』
ゆっくり上半身を起こすと、Aさんとイヴさんが僕の顔を覗き込んだ。
イヴ「大丈夫ですか？アズール寮長さん」
『ブロットの暴走治った系？』
ジェイド「そのようです」
レオナ「……ったく、手こずらせやがって」
ラギー「いやいや、レオナさんがそれ言っちゃだめっしょ」
アズール「僕は……一体、なにを？」
ジェイド「魔法の使い過ぎでオーバーブロットしてしまったんですよ。覚えていませんか？」
フロイド「僕に力をくださいよぉ〜って泣きながらみんなの魔法吸い上げてさぁ。
ちゃ〜ダサかった。ちょっとゲンメツ」
アズール「そ、そんな……僕が暴走するなんて」
でも、どうりで体が上手く動かないはずだ。
レオナ・キングスカラーに契約書を粉々にされてから記憶は曖昧だけれど。
でも、真っ暗な場所で、Aさんが手を引いてくれたことはちゃんと覚えている
ラギー「ま、コツコツ集めてきたモンを台無しにされたらそりゃ怒るッスよね」
『あんな風に暴走するとは思わなかったんだよ。
……なんか、スミマセン』
アズール「Aさん……」
グリム「でも、やっぱ悪徳商法はダメなんだゾ。反省しろ」
ジャック「その前に、お前らは他人の作った対策ノートで楽しようとしたことを反省しろ！」
『元はと言えばお前らのせいだしな』
イヴ「……」
Aとイヴさんがジト目で睨むと「……はい」と縮こまるグリムさん達。
『にしても、アズール寮長は本当に凄いよな』
アズール「……え？」
イヴ「小テストで赤点ばっか取ってたグリムくんを一夜漬けで８０点も取らせるなんて流石です」
『やり方は間違ってるけど、アズール寮長は凄いし偉いと思う』
そう言って笑うAさんとイヴさん。
慰めとか、褒めてもらえより、僕は今目の前に２人がいることが嬉しかった。
ずっと、ずっと会いたかった２人が僕の目の前で、笑っている。
それが何より嬉しくて、視界が涙で滲む。
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冬雪(プロフ) - そよんさん» コメントありがとうございます。こういう嬉しいコメントがあるたんびに頬が緩みます (2020年5月9日 14時) (
レス) id: 629036c9bb (このIDを非表示/違反報告)
そよん(プロフ) - こういう素敵な作品に限って、途中で終わったりすることがあるから、読みながら「あーそろそろ続きないかも…」って思ってたら「やだ！まだある、まだある！！！？」って全私がうれしみの舞(？)笑。素敵な作品をありがとうございます！！ (2020年5月9日 13時) (レス) id: 4362c83576 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - クリきんとんさん» ご報告ありがとうございます。これからも頑張ります (2020年4月29日 4時) (レス) id: 629036c9bb (このIDを非表示/違反報告)
クリきんとん(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております！269話のフロイドくんの名前が1部フライドになってます、、、、気の所為だったらすみません！！これからも応援しています (2020年4月29日 1時) (レス) id: 57857ad3bd (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - らて。さん» ご報告ありがとうございます。楽しんでもらえて嬉しいです (2020年4月28日 21時) (レス) id: 629036c9bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年4月24日 1時
