◇172.終曲サバナクロー ページ29
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ジャック「A」
呼ばれて振り返る。
『……凄いねジャック！』
ジャック「は？」
『男装した僕らを見破れるんだね！』
同じ髪色のカツラを被ってから僕達の後ろ姿はデュースやケイト先輩はおろか、いつも間違えないエースにまで僕とイヴの区別が誰にもつかなかった。
ジャック「匂いで区別がつくだろ」
『体臭！？』
ジャック「言い方」
『僕ってどんな匂いすんの？』
ジャック「……」
試しに自分で匂いを嗅ぐが、柔軟剤の匂いしかしないし、イヴも同じ匂いのはずだ。
ジャック「……嗅いでて不愉快じゃない匂い」
『わかりにくっ』
ジャック「獣人族は普通の人間より鼻や耳がいいんだよ」
『ほへー……。
じゃあラギーやレオナ寮長も匂いで僕とイヴを嗅ぎ分けることが出来るってこと？』
ジャック「出来るだろ」
『凄い』
僕はカツラを取って顔一杯に髪を振り乱す。
『……で？』
ジャック「？」
『僕に用があったから話しかけてきたんだろ？』
ジャック「ああ……」
『なんだい？僕にしか言えない秘密の話かい？』
誰もいない中庭。
僕は寮に帰る途中だった。
イヴは夕飯の支度をするためにグリムと先に帰って行った。
僕？僕はそりゃあ、チェカくんというショタを堪能していたから遅れて帰宅することになった。
ジャック「……��他人のために動くヤツは信用出来ない��」
『？』
ジャック「前に俺が言った言葉」
『言ってたな』
ジャック「結局お前はなんだかんだ、他人のために動いた」
『……』
ジャック「でもイヴが言ったんだ。
お前だけは信用してほしい、ってな」
『……』
僕は驚いた。
イヴがそんなこと言ってくれるとは。
ジャック「そんなの、難しかった。お前はよく人を挑発するようなことを言うし、手加減ねーし」
『否定はしないよ』
ジャック「でも……、誰よりも一生懸命なヤツだと思った」
『君には、そう見えてるんだ』
ジャック「俺はお前のこと……嫌いじゃない」
ジャックは口元をおさえて目を逸らしながら言う。
僕はその様子に笑う。
『イヴ、いい奴だろ』
ジャック「ああ。お前とあいつはいいコンビだと思うぞ」
『くれと言ってもあげないからな』
ジャック「いや、言わねぇよ」
僕はジャックの腕を引っ張って無理矢理しゃがませると、
僕はジャックの頭を撫でた。
『ありがと、ジャック』
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冬雪(プロフ) - アルファさん» ご報告ありがとうございます。これからもご愛読の方をお願いします (2020年4月17日 15時) (
レス) id: e3ba6a1386 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - 161話で、八つ当たりはジャックすればいいになってました (2020年4月17日 11時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - とっても面白くて、何回も読み返したくなる面白さ･･･ヤバいです！ (2020年4月17日 11時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - アルファさん» ご報告ありがとうございます (2020年4月16日 18時) (レス) id: e3ba6a1386 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - 186話でレオナがレオナ先輩ってさいごにいってました (2020年4月16日 17時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年4月12日 3時
