◇165.１番目より２番目 ページ22
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僕は寮長の口から手を離す。
『知っているか？』
レオナ「？」
『１番目に生まれた子より２番目に生まれた子の方が才能に優れているんだよ。
つまり、１番目が持つはずだった才能を２番目が母親の腹の中で根こそぎ持っていったことになる』
レオナ「……」
『それってなんかズルいッスよね！』
ジト目でそう言えば目を張るレオナ寮長。
『王様より優れた王子様なんて、僕が王様だったら嫉妬するね！勉強も魔法も出来て、狡賢くて、自分の面倒を見てくれる奴や自分に憧れを抱いてくれる奴がいるなんて、僕が君の兄だったら嫉妬に狂って殺してたね』
レオナ「お前……」
『僕達が他人で良かったな。ワガママ王子』
本当はその整った顔が変わってしまうくらい殴ってやりたいが、そういうお仕置きはラギー達に任せようじゃないか。僕って本当に優しいよな。
するとレオナ寮長は何故か笑い出した。
レオナ「お前……アホみたいに前向きだな」
『アホは余計だ！』
するとレオナ寮長は立ち上がった。
レオナ「飽きた」
『え』
レオナ「出る」
『お、それじゃあまずは出口探しだね』
レオナ「あ？出口知らねぇのかよ」
『入口も出口も知らんわ』
レオナ「チッ」
『あー！今舌打ちした！？』
レオナ「ウルセェ」
「とりあえず歩くぞ」と僕達は歩き出す。
意外とあっさりだな、と思う。
『(まあ、僕は巻き込まれたみたいなもんだし)』
あとは全部サバナクローの奴らに任せよう。
散々僕らをバカにしてきたんだ。これぐらいの落とし前はつけてほしい。
レオナ「お前」
『ん？』
レオナ「よくそんな他人のために頑張れるよな」
『巻き込んできたのはお前らだろーが！！』
レオナ「……っ！？」
『お前らが今回の事件起こさなければ僕達は巻き込まれることはなかったんだっつーの！！』
レオナ「キャンキャン喚くな」
『キャンキャンキャンキャンキャンキャン！！！』
レオナ「マジでキャンキャン言うなよ……」
『いいかい？お前らはリドル先輩達を含め、僕達に迷惑をかけたんだからな？この恩はちゃんと返してもらうからな！』
レオナ「……わかったよ」
『そして尻尾か耳を触らせてください！！』
レオナ「それは嫌だ」
『なんでよ！！！』
僕の叫びが響くと、強い光が僕らを襲う。
ゆっくりと闇がきえていく。
めまぐるしい歪みも、欠けた光も。
僕達の世界から消えていく
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冬雪(プロフ) - アルファさん» ご報告ありがとうございます。これからもご愛読の方をお願いします (2020年4月17日 15時) (
レス) id: e3ba6a1386 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - 161話で、八つ当たりはジャックすればいいになってました (2020年4月17日 11時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - とっても面白くて、何回も読み返したくなる面白さ･･･ヤバいです！ (2020年4月17日 11時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - アルファさん» ご報告ありがとうございます (2020年4月16日 18時) (レス) id: e3ba6a1386 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - 186話でレオナがレオナ先輩ってさいごにいってました (2020年4月16日 17時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年4月12日 3時
