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◆102.苦しみ ページ8

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リドル「ルールを破れば
楽しい時間まで
取り上げられてしまう
だからお母様が決めたルールは
絶対に守らなきゃ
この街で一番優秀なお母様は
いつでも正しいはずだから
でも……ねえ、ママ
何でだろう?
何故だかとっても胸が苦しいんだ
お誕生日だけでいいから
いっぱいタルトが食べたい
お外でいっぱい遊びたい
もっといっぱいお友達がほしいよ





『……』





リドル「教えて、ママ
どんなルールに従えば
この苦しみは消えるの?」



僕は足を止めた。

そこには、座り込んで顔を下に向けたリドル先輩がいた。




『……リドル先輩』

リドル「……」




さっきまであんなにぺらぺら喋ってたのに、今は黙っている。

僕はリドル先輩に近づいて、目線が同じになるようにしゃがむ。




『……リドル先輩』

リドル「……」

『リドル先輩』

リドル「……」

『ドリル先輩』

リドル「……変なの混ざってる」





『すみません、噛みました』と笑っても、リドル先輩は一向に顔を上げようとはしなかった。




『先輩、ここから出ましょうよ。きっとトレイ先輩達が心配していますよ』

リドル「……」

『まあ、多分怒られる一択でしょうけど』

リドル「……」

『僕もイヴ達に怒られちゃうかなー』




今思えば、この空間から脱出した後が怖い。

無理はしないって約束はしたけど、これとそれとは話が違うし。




リドル「……キミも、何かしたの?」

『リドル先輩を助けるために体を張っただけです』



自信満々に胸を叩いて言えばリドル先輩はさらに顔を下に向かせてしまう。




『ですから怒られる時は先輩も怒られてください!イヴが怒ったらどんな風になるのか怖くて元の世界に帰れません!』

リドル「……キミだけで、帰りなよ」

『見捨てる気ですか!?』

リドル「ボク、もう疲れちゃった……」

『……』

リドル「ルールを守るとか、もう……」



『なら、守らなければいいじゃないですか』




リドル先輩は顔を上げた。




『いちいち罰を与えるの面倒いですよね?
なら、少しくらいのルール違反なら目を瞑るのもいいんじゃないですか?』

リドル「そ、そんなことしていいの?」

『だって学園にリドル先輩を束縛する人いないじゃないですか』


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◆103.友達に→←◆101.苺のタルト



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冬雪(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。面白い、と思ってくれて嬉しいです (2022年12月8日 18時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - めっちゃ面白すぎる!! 夢主ちゃん良い子すぎて泣ける、、、 (2022年12月8日 16時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» コメントありがとうございます。少しでも楽しめたら嬉しいです (2021年4月11日 23時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - 120話ツボりました。他の話もですけど面白かったです。このやr((殴 すとーりーおおいねぇ。(思考停止) (2021年4月11日 21時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 13番さん» 報告ありがとうございます (2020年9月6日 14時) (レス) id: a3f0fbae31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬雪 | 作成日時:2020年4月6日 4時

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