◆57.大食堂にて ページ12
イヴ.
四時限目が終わり、お昼休みということでトラウマしかない大食堂に来た。
そこは沢山の生徒達が賑わっていて、美味しそうな匂いもする。
イヴ「(一昨日はここのシャンデリア壊しちゃってるからなぁ)」
私達のことを知っている人は多分察してしまう。
視線が痛い。
『ビュッフェ式ってシャレオツだな……』
イヴ「(堂々としてるなAちゃん……)」
グリム「ふわふわオムレツ！鶏肉のグリルにベーコンエッグタルトもあるんだゾ！！A！オレ様、鶏肉のグリルがいい！最後の一個なんだゾ！」
『あーもう煩い煩い！わかったから少しは黙れ！』
イヴ「(グリムくんってイカやネギって大丈夫なのかな……)」
でも昨日、ネギが入ったスープを普通に自分から率先して食べていたから平気なんだろう。
グリム「あとオムレツも！ジャムパンも！いっぱい取って欲しいんだゾ！」
『まだ食う気かよ！』
イヴ「グ、グリムくん、少しは落ち着こ？」
色とりどりの食材にテンションが上がっているグリムくんを落ち着かせようとした束の間、
グリム「あだっ！」
イヴ「あ」
グリムくんが男の人とぶつかってしまった。
「あ〜っ！？オイテメェ！お前がぶつかってきたせいでパスタの温玉が崩れちまったじゃねえか！」
「おいおいおい〜ぷりぷりの温玉を崩すのはカルボナーラ一番のお楽しみなんだぜ？
どうせ落とし前つけてくれんだよ！」
イヴ「っ」
突然怒鳴られて怖気付いてしまう。
怖い。
『……』
「慰謝料としてお前が取った鶏肉のグリルくらい譲ってもらわないと、釣り合いがとれねぇなぁ」
グリム「ふな"っ！？い、嫌なんだゾ！この肉はオレ様のだ！」
「あ？新入生のくせに先輩に対する態度がなってないんじゃねぇの？ちょっと裏来いよ」
イヴ「！」
男の人が私の腕を掴む。
振りほどけない。怖くて、振りほどけない。
デュース「せ、先輩。魔法での私闘は禁じると」
「私闘〜？これは先輩から後輩への教育的指導ってやつだよ！」
「歯ぁ食いしばれ！」
『いや、意味わかんないし』
するとAちゃんが男の人の手から私を放すと男の人の腕を簡単に捩じり上げた。
「いたたたたたたっ！！」
『かっこ悪りぃんだよ……反吐が出る』
「ヒッ……」
Aちゃんの睨みに今度は男の人達が怖気付く。
グリム「いいぞAー！もっとやれー！」
『グリム、お前もあとで説教な』
グリム「え」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1723人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬雪(プロフ) - サナさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただければなと思うばかりです (2022年8月11日 20時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
サナ - やっと、2巻なんだゾ(このお話の)。楽しみ。 (2022年8月11日 18時) (レス) id: 2c45cd1730 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - ゆずさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月13日 11時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ◆82話のところでトレイ先輩がトイレになっててめっちゃ笑いましたwwww (2020年10月13日 3時) (レス) id: 207a7fb508 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るなさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月4日 18時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月31日 8時
