◇34.【ルート】朝 ページ36
イヴ.
グリム「ふな〜っ！！」
イヴ「うわあっ！？」
突然の大声に驚き、ベッドから転げ落ちた。
『あっはははは！』
そしてAちゃんの笑い声。
起き上がると私より先に起きていたAちゃんがお腹を抱えて笑っていた。
『ベッドから転げ落ちる奴、初めて見たっ』
イヴ「うっ……で、でも！グリムくんが唐突に大声を出すから、ビックリして……
もう！グリムくんいきなり大声出したら驚く……」
そしてグリムくんの方を見ると、まだ彼は夢の中だった。
……まさか、今の寝言？
イヴ「な、なんて人騒がせな……」
『僕もグリム童話のせいで起こされちったよ』
そう言って大きな欠伸をするAちゃん。
ベッドから降りたAちゃんはカーテンを開けて「サンシャインを浴びる僕」と何故かニヒルな笑みを浮かべた。
グリム「ふなっ……眩しいんだゾ……」
『起きろグリム童話！』
イヴ「今日とてもいい天気だよ」
雲一つない晴天。
グリムくんの体を揺すって目を擦りながら起き上がるグリムくんは私達を見るなり目を張った。
グリム「ふ、ふなあ〜！？」
イヴ「！？」
『え、なに、敵襲！？』
グリム「イヴが二人いるだゾ！！」
……焦って損した
グリム「……って、なんだ、Aか」
『はいはいAですよーっと。てか、これから一緒に生活していくんだから見分けくらいつけよ』
グリム「仕方ないんだゾ。今のオマエら、同じ寝間着を着て同じ髪型をしているから一見、どっちがどっちだか」
『目の色が違うだろうが』
イヴ「でも私達、なんでそっくりなんだろ……」
この世界に来る前の記憶が曖昧だから、という理由もあるんだろうけど、私とAちゃんの関係性がわからない。
Aちゃんも私も、何者なんだろう……
『んー……実は僕達、死に別れた双子だったりしてなー』
イヴ「そこは生き別れたじゃないんだ」
『生き別れなら、絶対忘れない』
そう言ったAちゃんはこの部屋に最初から飾られていた鏡に立って髪を手櫛で整え、一つ結びに慣れた手つきで結う。
『死に別れは一度死んでいるからお互い忘れているのは頷けるけど、生き別れは少なくとも一度は会ってるってことでしょ？なら、僕は絶対君のことを忘れないよ。
双子なら尚更。たった一人の片割れだもん』
そう言ったAちゃんはニッ、と笑った。
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冬雪(プロフ) - コメントありがとうございます。どうぞ次にお進みくださいな (7月15日 10時) (
レス) @page50 id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
さ - 嫌いに!!なるわけ!!ないだろ!!寮長!!続き読んできます！！！ (7月15日 8時) (レス) @page50 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るきあさん» コメントありがとうございます。見つけてくれてありがとうございます (2022年4月23日 17時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - やっと見つけた！！！！！！！！！！！！！！！！！機械壊れて占ツク入れてから数ヶ月探してたけど見つかりました…応援してます…一から読み直します‼️ (2022年4月23日 17時) (レス) id: e2065bbc2b (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - はわわさん» コメントありがとうございます。ハマっていただけて嬉しいです。自分もここまでくるとは思いませんでした (2022年4月13日 0時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月23日 0時
