138.女の子だから ページ47
加州.
加州「あんたは風呂に入ってきな」
『え、でも……』
加州「いいから」
主を大浴場に向かわせ、正座をさせた獅子王に向き直る。
獅子王「なあ、俺悪い事したか？」
和泉守「したっつーか、しようとしたっつーか」
加州「あのね、年頃の女の子の裸は俺達は見ちゃ駄目なの」
獅子王「なんでだ？」
加州「女の子だからだよ」
獅子王「女の子だから駄目なのか？」
加州「決まってんでしょ。見るからにあの子は男慣れしてないだろうし俺達の入浴時間とあの子の入浴時間を分けているのはそのためだし」
獅子王「そうだったのか」
それにこの事をAのことを気にかけている奴が知ったら多分獅子王は無事じゃ済まない。
和泉守「堀川が知ったら長時間の説教だったかもしれんな」
獅子王「んー、それは嫌だな」
加州「てかあんた、なんで突然あの子の背中を流そうと思ったのさ。ここ二ヶ月は姿を現さなかったくせに」
獅子王「いや、俺も関わる気はなかったんだけど、主が鶴丸のじっちゃんが掘った落とし穴に落ちて、怒ってるかなって、もしかしたら鶴丸のじっちゃんを責めるかもしれないって思って、それで、責めないでほしいって頼んだらさ、
あいつ、怒るどころか、鶴丸のじっちゃんを褒めてたんだ」
……予想はつく。
大方、落とし穴に落ちてみたかったとか、そんなところだ。
獅子王「笑ってた」
和泉守「……」
獅子王「そしたらずっと邪険してた俺が馬鹿みたく思えて、」
加州「みんな、そう思うよ」
獅子王「え？」
加州「俺は最初に言ったからね。あの子は今までの屑な審神者とは違うって。
だから俺達はあの子のことを大切にしないといけないの。あの子が傷つくようなことは絶対にしてはいけない」
あの子が俺達を大切にするように、俺達もあの子を大切にしないといけない。
加州「わかった？」
獅子王「……おう」
加州「はい、じゃあこの話は終わり。少しでも役に立ちたいって思うなら風呂上がりの飲み物でも用意してあげたら？」
獅子王「そうだな！じゃ、俺行ってくるわ」
獅子王を見送り、持ち場に戻ろうとする。
和泉守「……加州」
加州「んー？」
和泉守「お前、変わったよな」
加州「……」
和泉守「少なくとも、片目を失明する前は、そんなに大人びていなかったよな？」
加州「人も物も、年月が経てば変わるものだよ」
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戦国娘(プロフ) - 作品楽しみに読んでます！あと、一つ報告が.....一護ではなく一期一振というので正しくは一期です!! (2020年1月20日 0時) (
レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年6月15日 0時
