【刀剣乱舞】妖物語 (ページ32)

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123.猫目の主ページ32

燭台切.

燭台切「……あれ」

歌仙「どうしたんだい？」

燭台切「さっき短刀の子達が届けてくれた採れたての果物がどこにもないんだよ」

歌仙「よく探したのかい？」

燭台切「うん……」

せっかく主くんに出そうと思ったのに……

とりあえず短刀の子達には悪いけど果物は後にしよう。
まずは夕餉の献立を考えようと冷蔵庫を開けようとした時、廊下の方でバタバタと足音が聞こえた。

愛染「喉乾いたぜー！」

太鼓鐘「みっちゃんなんか飲み物くれ！」

歌仙「こら君達！廊下を走るなと何度もっ！」

太鼓鐘「わっ、般若！」

歌仙「誰が般若だ！」

畑仕事から帰ってきた愛染くんと貞ちゃんが厨に入って来た刹那般若のような形相の歌仙さんに注意されている。

僕は苦笑いしながら二人に麦茶を出そうとした刹那また廊下の方でドタドタと足音が聞こえた。

信濃「大変だよ！」

歌仙「廊下は走るなぁぁああ！」

信濃「うわぁぁあああ！！は、般若！？」

歌仙「誰が般若だ！」

燭台切「何が大変なの？信濃くん」

信濃「あ、そだそだ！なんかこの本丸に侵入者が入っちゃったっぽいんだよ！」

歌仙「侵入者？」

信濃「そうだよ！この本丸に誰のでもない霊力が……って、あぁぁぁああああ！！」

突然焦った表情で僕を指さす信濃くん。

僕は驚いて周りを見渡すと冷蔵庫を物色する主くんが何故かそこにいて驚く。

燭台切「ちょっ、あ、主くん！？」

太鼓鐘「……」
愛染「……」

歌仙「太鼓鐘、愛染、刀をしまいなさい。
ちょっと君、勝手に冷蔵庫を探るなんて穏やかではないね」

〈……！〉

主くんは振り返る。

歌仙「！」

燭台切「！」

そして僕達は身構える。

主くんの目は何故か猫のような目をしていたから。

すると牛乳を持った主くんは煙のように消えた。

燭台切「！？」

太鼓鐘「き、消えた！？」

愛染「な、なんで……」

信濃「も、もしかして幽霊！？」

燭台切「(あれ……？)」

微かな霊力は主くんのものと少し違う。

それにこれ……

歌仙「＂妖力＂が出ているね」

燭台切「やっぱり歌仙さんもそう思う？」

太鼓鐘「妖力？」

歌仙「霊力とは少し違うものだよ。簡単に言えば妖怪の元気の源ってところかな」

燭台切「主くんは妖怪じゃないから、まずありえないと思う」

信濃「え、じゃあ侵入者ってもしかして……」

歌仙「＂妖＂で間違いないようだね」

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