74.穢れ ページ28
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堀川さんの周りに禍々しいオーラが纏う。
一瞬で空気が淀み、堀川さんの周りの草木が一瞬で枯れ果て、灰になっていく。
『堀川さん……？』
「……酷いですよ、主さん」
顔を上げた堀川さんの双眸には光がなかった。
「どうして貴女は人間にさせたがるんです……？」
『そ、それは……』
「身を得ても、こんなにも意味がないのに……」
『違います！貴方が人間になったのもちゃんと意味があるから貴方は人の身を得たんです！』
このままではダメだ、と思った私は堀川さんに近づこうと一歩踏み出したけれど、加州さんが私の前に立ちはだかる。
『加州さん？』
「アンタは近づいちゃダメ」
『ど、どうして……』
「堀川の��穢れ��が進行している」
『穢れ？』
「俺達刀剣男士は負の感情が蓄積されると穢れちゃうの。本来、それを取り除くのは審神者の役目なんだけど……」
『な、なら早く取り除かないと……！』
加州の横を通り抜けようとすれば今度は今剣くんに立ちはだかれ、違う方向から通り抜けようとすれば和泉守さんが私の行く手を阻む。
「あるじさま、きけんです」
『でも審神者である私の力が必要なんだよね？』
「だめなんです」
『どうして……っ』
刹那、堀川さんが苦しそうに呻き声をあげる。
「ひどい……ひどいよ主さん」
『堀川さん……っ』
「こんな体と心を与えておいて……僕のこと見向きもしない、必要ともしないなんて……」
私は無我夢中で堀川さんに手を伸ばすけれど、加州さんに抑えられてしまい堀川さんに触れられない。
『堀川さん！もう貴方のことを見向きもしない必要としない主はこの世にいないんです！』
「……だから、何？」
『貴方が悲しむ必要なんてないんですっ！』
「……でも、僕は違う」
『違う？』
「僕だけ、あの三人目の霊力が……あの屑の霊力が僕の身体に流れていると思うと……僕は……」
『堀川、さん……』
「みんなが嫌いな屑の霊力が流れる僕なんて……」
私は、目を張った。
堀川さんの背後に敵脇差が現れる。
……まさか、そんな……嘘だ
敵脇差が堀川さんに取り憑こうとしている。
「兼さんが嫌う僕なんて……」
「国広……っ」
「人間にならない僕なんて……」
『堀川さん！やめて！！』
「消えた方がいいんだ!!!!」
刹那、爆風に似た邪気が私達を襲う。
目を開けると、そこには敵脇差に憑依された堀川さんがいた。
『いや……っ……いやぁぁぁあああ！！』
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冬雪(プロフ) - たまごやきさん» コメントありがとうございます。毎回題名が変わる小説ですがこれからも読んでいただけると幸いです (2019年6月9日 9時) (
レス) id: 319301ee3c (このIDを非表示/違反報告)
たまごやき - こんにちは。今までコメントしていなかったのですが、いつも作者様の作品を読ませて頂いてます。あんスタの方から読み始めたのですが、どちらもとても引き込まれてしまいとても好きです。これからも作者様のペースで更新してくださると嬉しいです。 (2019年6月9日 9時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 幸別愛友さん» コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - すごくいいお話です…(*´^-^`*) その文章能力わけてほしいくらいです…(>д<。) これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！！ (2019年5月25日 12時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 瑠花さん» 他人が作ってしまうと自分が作った物語が思い通りにいかなくなります。誰も語彙力がないことを馬鹿になんてしませんよ。馬鹿にする方が馬鹿なんですから (2019年5月24日 22時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年5月20日 21時
