66.物語は続く ページ20
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「ということで今後ともよろしくお願いしますね」
『……は、はい』
「んじゃ俺は兄弟の様子を見てきますねっ」
そう言って立ち上がった鯰尾くんは去り際に私の頭を撫でて廊下の奥へと消えて行った。
私は自分の頬を両手で包み、そのまま仰向けになると頭の中で鯰尾さんが言った言葉が繰り返される。
『(男の子に大好き、なんて初めて言われた)』
同い歳……に見える男の子に大好きなんで言われたことがなかった私は慣れない言葉に悶えた。
……あれ？
もしかして私、あの時返事すれば良かったのか？
しかし鯰尾さんは普通な態度で去って行った。それとも私は試されているのか？きっと私の顔は赤から青に変わっていってるだろう。一気にピンクモードからブルーモードである。
「貴女も女人らしいところあるんだね」
『え』
上を見上げると大和守さんが私の顔を覗き込んでいたため、ビックリした私は勢いよく起き上がり、大和守さんのおでこに衝突してしまう。
その場で二人でおでこを抑えて痛みに悶える。
「……痛いんだけど」
『す、すみません……』
「石頭……いや、この場合石おでこ？」
『好きにお呼びください……』
「じゃあ変な人」
『石頭と石おでこ何処行ったんですかぁ……』
痛みがなくなってきて、上半身を起こし、大和守さんを見ると、相も変わらず彼も無表情だ。
何故か私が鍛刀した人達は無表情であり、唯一私の刃者で表情豊かなのは陸奥守さんくらいである。
「君が気になるからいろいろと観察させてもらったんだけど」
『え、いつの間に……』
「貴女は優しいよね」
『いきなりすぎてどう反応すれば良いのか……』
「こんな時は喜べばいいんじゃない？僕は貴女を褒めている。僕が貴女を褒めているんだ。喜びなよ」
『そう言われると素直に喜べませんよ……』
「だと思った。貴女は素直だから素直に喜べないんだね。貴女は素直で優しいから僕の質問に答えてくれるよね？」
『質問？』
「簡単なことだよ。貴女は僕の質問に対して思ったこと、感じたことを言えばいい。簡単すぎて深く考えてしまうかもだけれど僕は貴女の率直な答えを聞きたいんだ」
なんかレポートでよくある感想欄を記入する時みたいだ。
大和守さんは何を考えているのだろう。無表情だから私では先を読むことが出来ない。
「んじゃ質問」
『は、はいっ！』
「主はなんで僕らを人間にしたの？」
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冬雪(プロフ) - たまごやきさん» コメントありがとうございます。毎回題名が変わる小説ですがこれからも読んでいただけると幸いです (2019年6月9日 9時) (
レス) id: 319301ee3c (このIDを非表示/違反報告)
たまごやき - こんにちは。今までコメントしていなかったのですが、いつも作者様の作品を読ませて頂いてます。あんスタの方から読み始めたのですが、どちらもとても引き込まれてしまいとても好きです。これからも作者様のペースで更新してくださると嬉しいです。 (2019年6月9日 9時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 幸別愛友さん» コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - すごくいいお話です…(*´^-^`*) その文章能力わけてほしいくらいです…(>д<。) これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！！ (2019年5月25日 12時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 瑠花さん» 他人が作ってしまうと自分が作った物語が思い通りにいかなくなります。誰も語彙力がないことを馬鹿になんてしませんよ。馬鹿にする方が馬鹿なんですから (2019年5月24日 22時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年5月20日 21時
