6.お願い ページ8
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『(ここはどこなんだろう……)』
一人ではどうしようもないので少年と少女に黙ってついて、綺麗に掃除された廊下を歩いているわけだども、やっぱりなんだか落ち着かなくて。
『(そういえば加州さんどこ行ったんだろ……)』
「あ、そういえば言い忘れてたことがあるんだ」
『え？』
「君には今からみんなに会ってもらうんだけど出来れば驚かないでもらえると嬉しいな」
『……驚かされるようなことをされるってこと？』
「ああ怯えないで！そんなつもりじゃないよ？たださっき怖い思いをさせちゃったからさ」
『あ……』
少年の方を見るとバツが悪そうに私から目を逸らすと少女が力強く少年の脛を蹴った。
『(これまた痛そう……)』
「さて馬鹿厚は放っておいて行こっか」
少年の様子を気にしながら歩いて行くと��大広間��という札が飾られた部屋の前に辿り着く。
「ここだよ」
『あの、私はどうすれば……』
「んー……まぁ、なんとかなるよ！」
『えええぇぇぇ……』
少女の無責任な助言に不安が一層深くなる。
「んじゃ開けるよー」
『え』
心の準備が整えられる前に少女は障子を開けてしまったので私は心臓をバクバクとさせながら恐る恐る部屋の中に足を踏み入れたのですが入らなければ良かったと後悔しました。
部屋には小さな子供もいれば大きな男の人が待っていてこれをどう驚かずにいられるでしょうか。
「ご苦労だったね、乱に厚」
「はーいっ」
さっきまで隣にいた少年と少女が唐突にログアウトしてしまい私はどうすればいいのか不安で頭がショート寸前になって取り敢えず顔を上げると加州さんが立っていた。
『加州さん……』
「傷は大丈夫？」
『え、あ、はい。何故か治ってました』
「うん、だろうね」
『え？』
「おいで」
加州さんに言われた通り加州さんの元に歩み寄る。
「いい？よく聞いて」
『は、はい……』
「アンタにはこれから俺達の主になってもらう」
『……え！？』
「審神者になってほしいの」
……意味がわかりませんよ加州さん
唐突に言われた言葉に私は返事をすることが出来なかった。今すぐ逃げ出してしまいたいけれどそれはあまりにかっこ悪いし、まずどこへ逃げればいいのだろうか。
たしかにその時、私に逃げ場なんてなかった。
「お願い。これは俺達のためでもあるしアンタのためでもある」
『……私のため』
「アンタは俺達に守られる道しか残ってないの」
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ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
