48.陸奥守吉行 ページ50
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すると突然、桜の花弁が私と刀を取り囲む。
隠していた目が露わになって視界が広がる。それはとても息が止まる程の美しい光景だった。
私が触れた刀は宙に浮くと眩い光を発しながら人の形へと成り立っていく。光が飛び散り、その人は姿を現わす。
「＿＿＿＿＿………お？」
『え、えっと……』
彼は床に着地すると私をマジマジと見る。
「陸奥守吉行さまを選んだのですね」
『あの、凄く見られてる気が……』
「陸奥守吉行さま、その方は貴方さまの新しい主となるお方ですよ」
「……主？」
「貴方さまは審神者さまに顕現されたのです。ですので貴方さまの刀としての役目はこの方のために刀を振るい、この方のために生きることです」
こんのすけくんが説明すると一生懸命理解してくれようとしてくれているのか腕を組んで唸ったりしていると理解出来たのか掌に拳を打つ。
「おんしがわしの主ということだな！いや、今世の主は女子だということに、ちと驚いただけぜよ」
『(と、土佐弁……？)』
「紹介が遅れたな、わしは陸奥守吉行。元のわしの主は坂本龍馬ちゅう男やかき、知っちょるか？」
『は、はい！歴史の授業で教わりました！』
「歴史の授業？」
『えっと……歴史の授業というのはですね歴史に名を残した人物や建物に出来事などを学ぶことで』
「ほ〜」
私の話を興味深そうに聞く陸奥守さん。なんだか今までより元気が良さそうというか活発的な人が来たというか。
「……おい」
『あ、山姥切さん』
「世間話は今じゃなくても出来るだろ」
『ですね……』
大人しく私は後ろに退がる。
「おんしも主の刀か？わしが初めてじゃなか？」
「こいつは前代の孫で二代目というやつだ。本丸には他にも刀剣男士がいて、あんたが来るのを待っている奴もいる」
「お、そりゃ早く行かんとな」
ニカッと愛想良く笑う陸奥守さんに対して相も変わらず無表情をキメる山姥切さん。凄く正反対な二人なのだけれど山姥切さんは大丈夫なのだろうか。
また鬱モードに突入しないか心配である。
「それでは審神者さま、陸奥守吉行で問題ありませんね？」
『は、はい！』
「では本丸はお送りします」
これで取り敢えず本丸に戻れる、と思い陸奥守さんの方に振り向いて、私は手を差し出す。
「どうしたが？主」
『えっと……これからよろしくお願いします、という意味です』
すると陸奥守さんはパアッと明るい笑みを溢れ私の手をその大きな手で握った。
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ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
