26.彼らの闇 ページ28
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「その刀は��山姥切国広��。旦那は政府から派遣された審神者に折られちまったんだ」
『な、なんで……』
「��うっかり��……だったんだとよ」
一気に空気が闇へと沈んでいく。政府から派遣された審神者は本当にどうしようもないくらい救いようがないくらい彼らに憎まれているようだ。
『政府から派遣された審神者って……』
「前の主がいなくなって、あんたが来るまで三年の間に計三人の霊力がそこそこの審神者がこの本丸にやって来た」
「一人目は要領が悪くて仕事に追われ自分で死んじまった」
『え……』
「二人目は短刀に手を出そうとした」
「三人目はどうしようもないクズで資金集めや資材集めのために俺達に休む暇を与えず傷を癒そうともせず俺達を道具として使いまくったんです。まぁ俺達はもともと戦の道具ですから当たり前なんですけどね〜」
平気そうに喋る鯰尾くんだけれど、はたした人間の身体を得た彼らのことを��道具��として扱って良いのだろうか。
悲しそうに目を伏せて、苛ついて拳を握って。刀がそんな仕草しないんじゃないんだろうか。
「主さん、これだけは覚えておいて」
『え……』
「ボクらの本体は刀。刀とは一心同体。だからボクらが傷を負うと刀も刃こぼれを起こすし刀が折れたらボクらは死ぬ」
『……じゃあ山姥切さんは』
「死んじゃってます」
鯰尾くんの言葉に山姥切さんを持つ自分の手が自然と震える。
『(でも……たしかにあの時……)』
「折れたら手入れも無効です。高い霊力を持つ貴女でも無理だと思います」
「折れた刀は何になると思う？大将」
『……？』
「資材になるんだ。刃先がねぇだろ？資材に変えられちまったんだよ山姥切の旦那は」
「私利私欲のため、瀕死状態の山姥切さんを狙って三人目はもう使えないからって折った。バキッて。ボク、その音が未だに頭に残ってるんだ」
怒りで顔を歪ます厚くんと狂ったように乾いた笑みを溢す乱ちゃんの姿に私は見ていられなくなってしまう。
「それを見た他の刀剣男士はどうしたと思います？泣いた奴もいたし三人目を責めた奴もいた。俺達の本分は刀で斬ることしか役目がありません。これで答えがわかりますよね？」
『……こ、殺した？』
「……正解です」
辿り着きたくない答えに辿り着いてしまった
「いろんな刀で滅多刺しにして吊るし上げてやりましたよっ」
そう言った鯰尾くんの笑顔は誰よりも歪んでいた。
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ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
