23.納屋の出来事 ページ25
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『名前、ですか？』
「そう」
『私が決めていいんですか？』
「アンタが主なんだから決めていーの」
本丸を一通り案内してもらった。厠(トイレ)を知って厨(調理場)を知ったし刀剣男士達のそれぞれの部屋も知った。
あの時は大広間しか案内されなかったけどよくよく見れば広くて開放感があるし自室の場所すら曖昧になってしまうくらいこの本丸という建物は私には勿体ないくらいの屋敷だった。
「ここが納屋」
『納屋？』
「物置小屋」
話しているとわかるがどうやら刀剣男士達の言葉は自分の生まれた時代で止まっているらしい。聞いてみるとカタカナは片言だし物置も納屋とも言っている時点で彼らの言葉は現代に染まっていない。
……なんだかカッコイイと思えるのは私だけですか
私の時代ではない言葉だし使っていたとしても演劇やそういう��設定��持っている人しか使わないから凄く新鮮。
「うわっ埃臭っ！」
『物置って感じがします……』
納屋を開けるとあまりの臭いに鼻をつまむ。
「こまめに窓開けろって言ってんのに」とブツブツ言いながらズンズン中へと進む加州さんに続いて私も恐る恐る中へと入る。窓を開ける加州さんを横目に棚に積まれたダンボールや小さい子が遊ぶようなオモチャを眺める。
『(凄い埃被ってる……)』
加州さんの方を向いた刹那、何故か加州さんの頭の上にタライが落ちてきていろんな物が床に散乱してしまう。タライが落ちるなんてどんな古風なギャグなのだろう。
「〜っあの鶴爺！！」
『だ、大丈夫ですか？』
「……へーき、しょーもない悪戯だから」
これは悪戯なのだろうか。いや加州さんが言うのだから悪戯に分類されるのだろう。
散乱した箱を拾い上げて埃を払うと��大事な物��と小さい子が書いたような歪な文字で書かれた箱で。振ってみると何か入っているのか枯れた音がする。
「開けてみれば」
『え、いいんですか？プライバシーの侵害じゃ』
「ぷらいばしーとか知らないもん俺」
『えええぇぇぇぇ……』
でもちょっと私も気になっていた。
意を決して開けるとそこには色褪せた御守りが入っていた。
『御守り……？』
「へー結構いい物じゃん」
『いい物？』
これが誰かの大切な物なのなら早くしまってあげなければと思い箱の中にしまおうとした時、
天井から何かが降ってきたのです。
「！？」
『な、なに！？』
目を凝らして見れば一振りの刀が床に突き刺さっていた。
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ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
