１.厄日から始まる ページ3
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今日も気温が低いらしい。テレビの中の天気予報士の綺麗なお姉さんが言っていた。
早く食べちゃいなさい、遅れるわよ。遅刻しそうな私にお母さんは更に急かす。
明日から春休みだね。��死んだ��祖母が私の目の前で言う。
私は笑顔で頷いた
普段は見えないものが私には見える。見たくないものが見える時があるけれど時々見たいものを見えた時は嬉しく思える。例えば昔飼っていた犬とか祖母とか。
『行ってきます』
今日はローファーではなくスニーカーを履いて私は外に出た。
もう春で、今年の卒業生も卒業して、今日は終業式なのだけれど遅刻してはいけない日に今日に限って寝坊してしまったため絶賛全速力で通学路を走る。
しかし今日の私の運勢は最下位らしい。これも天気予報士の綺麗なお姉さんが言っていた。
こんな時に限って横断歩道の信号に捕まった。どうやら��最下位��という名の運勢はフル活動しているらしい。
『(ここの信号長いんだよなぁ……)』
これは遅刻確定か？
いや、青になった瞬間走り出せばギリギリ間に合うかも。何事も諦めが肝心とは言うけれど諦めないで頑張れば上手くいくことだってあると私は思う。
……あ、信号が点滅してる
青になった
私は走る。
なのにどうしてだろう。どうしてだったんだろう。青信号で走った私が正しかった筈なのに。私に車が迫って来る。
歩行者の信号は青だったのに
「＿＿＿＿っA！！」
それは突然で、唐突で、突拍子もない一瞬だった。
男の人の声が耳に響いた瞬間、身体を持ち上げられ宙に浮く。視界に映る赤がとても印象的だった。
向こう側に転がり落ちると私はすぐに顔を上げた。私に迫っていた信号無視の車はそのまま走って行ってしまった。人々は心配して私を取り囲むけれども私を助けてくれた男の人に誰も目を向けない。
「大丈夫かい？お嬢ちゃん」
「どこも怪我してない？」
「一応警察は呼んだのだけれど」
老若男女の人々が私だけに視線を向けている。
なんで誰も男の人を見ないの？だって私の目の前に立っているというのになんで誰も見ないの？
だってその人は私に触れた。死んでいる筈なんてないのに。
『……貴方は何者なんですか？』
男の人に問う。
男性にしては綺麗な容姿、片目の色が違うその人は私の問いに答えることもなくただ嬉しそうに微笑んでいた。
「……やっと見つけた。俺達の新しい主」
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ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
