8.説明たいむ 其ノ弐 ページ10
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『政府……？』
「それは自分が説明します。申し遅れました自分は槍の刀剣で蜻蛉切と申します」
『(またデカイ人だなぁ……)』
岩融さんよりは小さいけれど私と比べれば遥かにデカイ。しかし蜻蛉切さんは岩融さんとは真逆で豪快ではなく誠実で物静かな雰囲気を漂わせている。
「政府はこの世界の中心です。政府の役人達に自分達は歯向かうことは出来ませんが今回は歯向かわせていただきました」
『どういうことですか？』
「政府は元々貴女を審神者として迎えようとしていましたがその前に自分達が攫うことにしたというわけです」
『なかなか穏やかではないですよね！？』
「貴女は自分達にとって大切な人です。その大切な人が政府の役人達に奪われるくらいなら法を犯してでも自分達の傍に置いておきたかったんですよ」
『私が……大切……』
そんなこと真っ直ぐ見られて言われてしまえば正直照れてしまうし反応にも困ってしまう。
すると蜻蛉切さんの隣に座っていた黒髪の��日本��と記された瓶を持った男の人が「その辺にしとけ」と蜻蛉切さんの頭を軽く叩いて座らせた。
「相変わらず蜻蛉切は天然男だな。今度は俺が太刀を代表して説明しよう。この三日月に何か教えてもらいたいことはあるか？知っている事ならなんでも教えよう」
『(うわぁ綺麗な人だなぁ……)』
三日月と名乗る男の人は凄く綺麗で落ち着いていてなんだか見ているこちらも落ち着ける。この雰囲気をどこかで体験した覚えがあるけれど今は思い出さなくていいだろう。
『私は前の主の孫と聞いているのですが……』
「何故自分がそう呼ばれているのか覚えていないというわけだな」
『……はい』
「すまんが俺達はそれを詳しく説明出来ん」
『え』
「前の主と約束したんだ。お主が前の主のことを思い出すまで俺達は助言すら与えることは出来ない」
『でも私、本当に……』
「お主は政府の奴らに前の主との記憶を消されておるのだ。まったく汚い手を使いおるわい」
この話は終わったのか三日月さんは座ってしまい、私はやっと手持ち無沙汰になった。
自分の置かれている状況は知らずに酷いものになっており、ただの遺伝だと思っていた見える目も本当はもっと重要な力だと私は彼らによって身をもって知ってしまったのです。
普通の家庭に産まれたと思っていた。
だけど私はどうしようもなく
普通の人間ではなかったのです
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ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
