37.「折ってくれ」 ページ39
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『ふざけないでください！！』
「！」
『私は人殺しなんてしたくありません！』
私は手に力を込めてみんなの刀に触れる。五虎退くんと同じように桜吹雪が彼らの周りを囲み傷を癒していく。
『私は何も知りませんよ！天下五剣もレア刀も知りませんし出世にも興味ないし審神者にも刀にも興味なんてこれっぽっちもありませんよ！私はただみんなに恩返しがしたいだけなんですよ！』
「……恩返し？」
『お婆ちゃんの事はみんながいなかったら私は一人では到底無理な難事件でした。だから私はみんなに恩返しがしたかった、みんなの役に立ちたかった」
どんどん涙が溢れてくる。
みんなに恩を返したかったのに折ってくれと言われたのが悲しかったし、みんなの過去を知った時は凄く泣きたかったけれど同情だと思われたくなかったのもあった。
私はただ、みんなの役に立ちたいだけだった
『でも、みんなが折って、なんて言ったら……私はどうすれば、いいんですかっ？』
「これは俺達のけじめというやつだ」
『私には、みんなを……癒すことしか能がないんですよ！』
「……折るなら簡単なことだぞ」
『簡単じゃないから言ってるんです！！』
私は畳に拳を打ち付けた。
「……お願いだ審神者、俺達を殺してくれ」
『嫌です』
「でないと罪悪感で死んでしまいそうだ」
『嫌です！』
「お主の爺さんに顔向けが出来んのだ！」
『絶対に嫌だ！！』
私は三日月さんに飛びついた。
三日月さんの襟元を掴んで、何を言っても解らない人達に私は大声で捲し立てた。
『最も美しいとか、入手困難とか、短刀達が性的に興奮するとか、資材のために他の刀剣を折るとか、恩を仇で返すとか、そんなの全部知らない！全部を無視して私は貴方達と一緒に頑張りたい！』
「……審神者」
『私を斬ろうとしたことは許さないけど死のうとすることも許さないし絶対に許さない！謝るまで許さない！！』
「……すまん、審神者」
『違う！今日から貴方達の主は私です！』
すると三日月さんは涙を零していく。
鶴丸さんも小狐丸さんも膝から崩れ落ちて涙をボロボロと流し涙声で言う。
「……すまん、主」
「ごめんなさい……」
「主さま、ごめんなさい……」
私は刀を一人一人返していく。
……そういえば、お腹空いたなぁ
『加州さん、私お腹空いちゃいました』
「今それ言うの？」
『みんなもお腹空きましたよね？ご飯を食べて一旦落ち着きましょうか』
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ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
