19.↓随時録「誘い」 ページ20
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薬研「たーいしょっ」
厚「肝試ししようぜ！」
「…」
仕事もひと段落ついて床に寝転んでいると襖が勢い良く開いて薬研くんと厚くんが凄くいい笑顔で部屋に入って来た。
『肝試し』
というイヤーな言葉に私は立ち上がり黙って部屋を出ようとすれば二人に腕を掴まれ、渋々戻る。
「私お化けとかそういう類苦手なんだけど…」
薬研「そん時は俺が守ってやるよ」
「男前すぎるよ薬研くん…」
厚「主ならお化けをも仲間に出来んだろ？」
「無茶だよ厚くん…」
「え？出来ないの？」という厚くんの顔を見て私は素早く首を横に振れば、肩を落とす厚くん。
「…参加するよ…」
薬研「お。お化けは苦手なんじゃねーのか？」
「お化けは嫌だけど…みんなとだったら楽しそうだから…」
薬研「流石。大将は俺達の期待を裏切らねーな」
厚「最初はみんなで青江さんの怖い話を」
「やっぱヤダ」
ダッシュで逃げようとしたら薬研くんに腕を掴まれ強制的に部屋に戻されては座布団の上に座らされてしまう。
薬研「覚悟を決めろ大将」
「だって青江さんの怖い話怖いし…」
薬研「慣れれりゃ怖くねーよ」
「怖いよ！！」
厚「必死か」
薬研「怖い話をした後は裏の森を一周だからな」
「恐怖項目が追加された！？」
「えー…」と私はふと、廊下の方を見れば、襖から此方を覗き込んでいる藤四郎兄弟がそこにいた。
期待の眼差しで此方を見る五虎退くんと秋田くんの視線が私の心を抉る。
「…もう参加すればいいんでしょう！？」
薬研「もう自棄って感じだな大将」
厚「半泣きだけどな」
◇
◇
小さい子には勝てない。
◇
「あんな目で見られたら断れないよ…」
薬研「大将って意外と単純だよな」
「やめて！心を抉らないで！」
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作者名：冬雪
| 作成日時：2018年7月28日 0時
