10.鯰尾藤四郎「寝惚」 ページ11
鯰尾.
鯰尾「主さーん」
「……」
鯰尾「あーるーじーさーん！」
「はっ！」
縁側に座ってうとうとと、首をカクンカクンとさせている主さんに出くわして、耳元で叫んで無理矢理起こす。
よく見れば、主さんの目の下には隈が出来ていた。
鯰尾「こんな所で寝てたら風邪引きますよー？」
「んー…」
鯰尾「主さん？」
「…もう少しで、終わるから…」
鯰尾「……なにが？」
寝惚けてる。
こんな主さんは珍しい。俺は少し主さんが可愛いと思い、主さんの頭を撫でると「…鯰尾くん？」と不意に俺の名前を呼ばれて吃驚してしまう。
鯰尾「主さん起きた？」
「…」
鯰尾「主さん？」
「鯰尾くんは本当に可愛いねー」
鯰尾「！？」
不意に主の両手で俺の頬を包まれる。
主さんの体温が伝わってきて、主さんの顔が間近に迫ってきて、なんだ凄くドキドキする。
主さんの寝惚けた顔がとても色っぽくて。俺の髪を撫でる仕草がすごく優しくて、擽ったくて。
「夢の中っていいねー」
鯰尾「ゆ、夢？」
「普段恥ずかしくて伝えられないこと言えるから」
鯰尾「…」
「鯰尾くん、いつも有難うね」
鯰尾「主さん…」
俺も何か伝えようとした瞬間、主さんは俺の胸に倒れ込んで眠ってしまった。
鯰尾「(まだ、ドキドキしてる…)」
俺は主さんを抱き締めて、背中を優しく叩いた。
目が覚めたらきっと「全て夢の中の出来事」と片付けられるんだろうな、この人は。
いつかその言葉を、目を見て言ってほしい。
◇
◇
取り敢えず、このネタで数日間はイジれる。
◇
後日談
鯰尾「主さん、実はあれは夢じゃないんですよ」
「え」
鯰尾「ちゃんと受け止めましたよ。主さんの感謝の言葉♡」
「恥ずかしいから掘り起こさないで！」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2018年7月28日 0時
