■105.自覚 ページ7
爆豪.
よく見ようとしたら「あ、少々お待ちを」と能面女は俺から離れて自分の顔を揉み始めた。
爆豪「何してんだよ」
『すぐ頬を揉まないと顔が痛くなるんです』
爆豪「だから能面なんだよ」
『表情筋を動かさない時期があったので急に動かすと数分後には痛くなるんですよ』
さっきまで人間らしい表情をしたと思ったら一瞬でつまらない表情に戻る能面女に溜息を吐いた。
『ていうかその能面女っていうのやめてください』
爆豪「お前から能面要素が消えたら何になるってんだよ」
『白野Aという人間になります』
爆豪「名前呼び合う程仲良くなった覚えはねぇよ」
『え、私達友達じゃないんですか？』
爆豪「自惚れてんじゃねぇよ」
能面女と友達なんてなってたまるか。
コイツのペースに呑まれるくらないなら親しい関係にならない方がマシだ。
俺は寮に向けて歩き出すと、能面女も足早に走ってきて俺の隣並んで歩こうとする。
爆豪「離れて歩けや」
『どうせ行く場所は同じなんですから別にいいじゃないですか。それにせっかく仲直りしたんですよ？仲睦まじく並んで歩きましょうよ』
爆豪「馴れ馴れしい」
『なんなら手繋いで歩きますか？』
爆豪「馴れ馴れしい」
『まぁ全部冗談ですけど』
爆豪「(ぶっ殺してぇ……)」
酷く物好きだと思った。
いままで俺に対しての女は馴れ馴れしく俺に触ってくるか、俺を見るなり距離を置く女が大体だった。
なんだったら親以外の女とあんな風に傷つけ合って喧嘩したのは初めてかもしれない。
ただの喧嘩じゃない。
お互い殺気が篭った喧嘩だった。
爆豪「……おい」
『？』
爆豪「テメェはどうして俺を追ったんだ」
『……』
能面女は少し考えた後、顔を上げ、
『なんででしょうね』
爆豪「は？」
『気づいたら爆豪くんのことを追っていたんです。私も何故追ったのかわかりませんが無意識に爆豪くんと仲直りしたいって思ったんでしょうね』
爆豪「(他人事かよ)」
『それ程私は爆豪くんと��喧嘩してそれっきり��になるのが嫌だったんでしょうね』
心臓が大きく鳴った。
まっすぐ言われた言葉と射抜くような視線を送る能面女から目を離せずにいた。
初めてちゃんと見た能面女の顔は、夕日に照らされていて、言葉にすら出来なかった。
爆豪「……ねぇわ」
『え？』
爆豪「マジ……ねぇわ……」
『だから何がですか？』
.
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冬雪(プロフ) - 夢桜さん» ありがとうございます。夢主気に入ってくれて大変嬉しく思います。 (2020年1月13日 1時) (
レス) id: 25f70c9881 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 遅いですが続編おめでとうございます！更新される度とても楽しく見させて頂いてます！！夢主さんの性格や話が読みやすくてとても大好きです！これからも頑張ってください！ (2020年1月13日 0時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます。光栄です (2020年1月2日 19時) (レス) id: e98b400c56 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - え、まって、めっちゃ上手！文章の書きかたが上手すぎてビックリしました！応援してます！ (2020年1月2日 18時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 寝不足猫ﾁｬﾝさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2019年12月25日 17時) (レス) id: 38a44182a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年12月1日 0時
