□113.結構好き ページ15
.
『爆豪くんもう少しくっついてください。肩が濡れてますよ』
爆豪「ほっとけ」
やっと落ち着いた爆豪くんと２人で寮は通ずる道を歩くが、そんなに私の隣は嫌なのか傘からはみ出る程彼は私から距離をとるから肩が濡れている。
私は傘を傾けて爆豪くんが濡れないようにする。
爆豪「……」
『爆豪くん肩を組むのはやめるので私から離れるのはやめていただけると助かります』
爆豪「……」
爆豪くんは黙ると私から傘を奪い取って、私の代わりに傘を持ってくれる爆豪くん。
正直嬉しい。爆豪くんが傘にめり込まないように配慮していたため腕が疲れていたところだ。
『雨、結構強くなって来ましたね』
爆豪「……」
『私、雨嫌いなんですよ。ジメジメしますし洗濯はしたくても出来ないことが続きますし地面から臭うカビの臭いも』
雨は嫌なことを思い出させるから好きにはならないこともある。
『でも同時に好きだってこともあります』
爆豪「……？」
『いつもとは違う景色を楽しめますし、雨上がりの空は洗いたての空って感じがして綺麗に見えますし虹も見れますし水で濡れた花は太陽に照らされてキラキラして、雨上がりも結構いいものなんですよ』
爆豪「……ぷっ」
『え』
爆豪「くくっ……」
何故笑われているのだろう……
爆豪「テメェほんとオメデタイ頭してんな」
『そうですか？』
何がオメデタイのだろう。
私は理解出来ないでいると、ふと爆豪くんがこんなに笑っているのは初めて見るな、と思った。
じっと見ていると「んだよ」と一瞬で不機嫌顔になる爆豪くん。
『爆豪くん、笑ってるなぁと』
爆豪「あ？そりゃ笑うだろ」
『笑う意味がわかりませんけど……爆豪くん、いつも私の前では怒ってる顔が仏教面なので』
爆豪「まぁ俺はテメェがいけ好かねぇからな」
『えぇ……』
嫌いよりはマシだがいけ好かないなんて初めて言われてどうとも言えない感覚になる。
でも、少なくとも嫌われていないのだろう。
『私、結構爆豪くんの笑った顔、好きですよ』
爆豪「……」
すると爆豪くんは凄い勢いでそっぽを向いた。
どうしたのだろうと覗き込めば爆豪くんの耳が赤くなっていることに気づく。
『どうしました爆豪くん、耳赤いですよ』
爆豪「っ！！！」
『あ』
刹那、爆豪くんが私の顔を掴む。
そしてその場に小さな爆破音が響いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬雪(プロフ) - 夢桜さん» ありがとうございます。夢主気に入ってくれて大変嬉しく思います。 (2020年1月13日 1時) (
レス) id: 25f70c9881 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 遅いですが続編おめでとうございます！更新される度とても楽しく見させて頂いてます！！夢主さんの性格や話が読みやすくてとても大好きです！これからも頑張ってください！ (2020年1月13日 0時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます。光栄です (2020年1月2日 19時) (レス) id: e98b400c56 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - え、まって、めっちゃ上手！文章の書きかたが上手すぎてビックリしました！応援してます！ (2020年1月2日 18時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 寝不足猫ﾁｬﾝさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2019年12月25日 17時) (レス) id: 38a44182a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2019年12月1日 0時
