□111.不器用な少女 ページ13
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『(たしかに味は美味しいな)』
昼休みに中庭で１人調理実習で作ったカップケーキを食す。
殆ど砂藤くんと爆豪くんがやってたからあまり達成感はないが。
最後の１個。
チョコペンで猫を描いたつもりだが、よくよく見れば猫ではない。相澤先生の言う通りこれはゾンビとしか言いようがないもので。
チョコがいい具合に溶けてもっとグロテスクなものになっているため相澤先生よく食べれたな、と思いながら口に含もうとすれば足音が聞こえた。
心操「白野」
『あ、心操くん』
心操「１人か？」
『自分の絵心の無さに悔やみながら孤独飯ならぬ孤独お菓子の時間ををキメていたところです』
心操「……そうか」
この後体育なのだろうか、ジャージ姿の心操くんが私の隣に座る。
『あ、心操くんも食べてみますか？』
心操「なんだこれ」
『調理実習で作ったカップケーキです』
心操「へぇ」
心操くんに手渡すと「白野の手作り……」と彼から呟き声が聞こえたが残念。それは私の手作りではないのだ。
心操くんはカップケーキをじっと見つめながら猫もどきを指差して「これゾンビか？」と聞いてくる。
『……』
心操「ゾンビじゃないのか？」
『……こ』
心操「？」
『猫……描いたつもりです……はい』
心操「……」
え、なにこれ、凄い恥ずかしい
心操「……ぷっ」
『！？』
心操「ははっ……これ、猫って……くくっ」
『……もう、なんとでもいいやがれです』
顔を両手で隠して、自棄になる。
心操「別に悪く言ってねぇよ」
『凄い笑ってるじゃないですか』
心操「笑って……ぷっ」
『ああぁぁぁぁあああ……』
心操くんの肩を軽くぺしぺしと叩く。
心操「お前って意外と不器用なんだな」
『……なんとでもいいやがれです』
よっぽど面白かったのか心操くんは普段見せないような穏やかな笑みを浮かべている。
あの普段表情を変えない彼がこんなにも頬を緩めている。
……そんなにウケるものなのか
『これでも頑張って描いたんです』
心操「うん」
『途中で握る力が強すぎてチョコペンの容器が潰れてチョコが飛び散って大惨事が起きましたけど』
心操「……うん、ご馳走さま」
『あれ、もう食べ終わったんですね』
私は心操くんの口の端に着いたチョコをティッシュで拭う。
『男の子って何故食べるのが早いんでしょうね』
心操「……っ」
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冬雪(プロフ) - 夢桜さん» ありがとうございます。夢主気に入ってくれて大変嬉しく思います。 (2020年1月13日 1時) (
レス) id: 25f70c9881 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 遅いですが続編おめでとうございます！更新される度とても楽しく見させて頂いてます！！夢主さんの性格や話が読みやすくてとても大好きです！これからも頑張ってください！ (2020年1月13日 0時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます。光栄です (2020年1月2日 19時) (レス) id: e98b400c56 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - え、まって、めっちゃ上手！文章の書きかたが上手すぎてビックリしました！応援してます！ (2020年1月2日 18時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 寝不足猫ﾁｬﾝさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2019年12月25日 17時) (レス) id: 38a44182a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年12月1日 0時
