■120.被害妄想 ページ22
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轟くんは黙って頷いた。
『……女の子のことは庇うつもりはないですけど、今のところ轟くんが半分以上悪いですね』
轟「……は？」
『だってそれは轟くんの被害妄想じゃないですか』
轟「被害、妄想？」
『顔が気持ち悪いから嫌いとか、女の子自身が言ったわけでもないのに轟くんは勝手にそう思ったってことじゃないですか。誰が轟くんを非難したんですか？』
轟くんの顔の火傷はたしかに可哀想なものだ。
多分この痕はずっと残る。
子供の頃の彼がこの傷を負ってしまえばコンプレックスになり、余計な事ばかり考えてしまうのは仕方のないことなのだろう。
轟「……っ」
『……』
轟「俺は……」
『……』
轟「この傷が嫌いなんだ」
『……』
轟「もう一度会いたいって思った。けど、実際会って気持ち悪いなんて言われたら俺は……」
『少なくとも私は気持ち悪いとは思いませんけどねその傷』
轟「！！！」
『消えない傷ってかっこいいじゃないですか。辛いことがあっても頑張って生きてきたって感じがしますし』
思えばあのも○のけ姫の○シタカも傷があるし、いや、あれは呪いか。
まぁどちらにせよ古傷があるヒーローってかっこいいと思う。
轟「……笑った」
『え？私今笑ってました？』
轟「あぁ。いつもより子供っぽく見えた」
『なんですかそれ』
そう言うと轟くんも笑う。
彼も人のこと言えない。笑うと幼く見える。
……なんだか心がほわほわする
その雰囲気をぶち壊したのは私達の横を通り過ぎて言った女の人達の会話の内容だった。
「ねえねえ、やっぱエンデヴァーかっこいいよね」
轟「……」
「偶然出張先がここだったんだって！それよりもやっぱりホークスもかっこいいよ！」
『……』
「いや、ほんとどっちもかっこいい！」
「あの２人ほんと一緒にいる時多いよねー」
不穏な会話だった。
轟「……なぁ、白野」
『なんでしょうか』
轟「そろそろ帰らねぇか？」
『奇遇ですね。私も帰りたいなと思っていたところです』
轟「よし、じゃあ帰るか」
踵を返した刹那、
エンデヴァー「焦凍？」
轟くんの名前を呼ぶ声が聞こえた刹那、轟くんは私に突然フードを深く被らせる。
『！？』
轟「悪りぃ、少しの間被っててくれ」
『？』
エンデヴァー「こんなところで何してるんだ」
轟「何してようが俺の勝手だろクソ親父」
『(口悪っ)』
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冬雪(プロフ) - 夢桜さん» ありがとうございます。夢主気に入ってくれて大変嬉しく思います。 (2020年1月13日 1時) (
レス) id: 25f70c9881 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 遅いですが続編おめでとうございます！更新される度とても楽しく見させて頂いてます！！夢主さんの性格や話が読みやすくてとても大好きです！これからも頑張ってください！ (2020年1月13日 0時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます。光栄です (2020年1月2日 19時) (レス) id: e98b400c56 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - え、まって、めっちゃ上手！文章の書きかたが上手すぎてビックリしました！応援してます！ (2020年1月2日 18時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 寝不足猫ﾁｬﾝさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2019年12月25日 17時) (レス) id: 38a44182a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年12月1日 0時
