■117.【赤色】悪夢 ページ19
轟.
『私、もう焦凍くんとは一緒にいられない』
子供の姿をした白野がそう言う。
白野はそのままガキの頃の俺を突き飛ばして汚物を見るような目で言い放つ。
『気持ち悪い顔』
.
.
轟「っ！！！！」
悪夢から覚めると、今まで息を止めて寝ていたのかと思うくらい呼吸が荒い。
呼吸を整えていると誰かの足音に敏感に反応した俺は殺気が湧き出たまま振り向く。
『……轟くん、どうしました？殺気と汗が湧き出てますよ』
轟「……白野」
『怖い夢でも見ました？』
そこには普段見る白野がいた。
轟「……お前デカイな」
『寝ぼけてるんですか？』
「少なからず私は貴方よりチビですよ」と台所の方へ歩いて行く白野の背中を見送りながらソファーの背もたれに背中を預ける。
今日は休日。
学校は休み。
クラスの奴らは多分殆どの奴らは出張っている。
俺は自室にいるのもなんだから共同スペースでボーッとしていたわけだが、どうやらいつの間にか眠っていたらしい。
轟「(だからあんな悪夢……)」
すると白野がコップを持ってこちらに歩いて来る。
『轟くんは喉乾いてますか？』
轟「いや……」
『だと思いました。悪夢を見た後って大体喉が乾くと言いますが見た夢次第では何も口に含みたくなくなるんですよね』
そう言いながら俺の向かい側のソファーに座る白野はコップに入れた飲み物を飲む。
『私今凄く暇なんです』
轟「そうなのか？」
『宿題は終わりましたし相澤先生に手合わせをお願いしようとしたら何処にもいませんし』
轟「他の奴らは？」
『この通りみんな部屋に籠ったり出張っているのでプライベートは邪魔しては失礼かと』
轟「なるはど」
『轟くんは何してたんですか？』
轟「俺もやる事ないからボーッとしてた」
天井を見ながら言うと「幸せな休日ですね」と白野は言う。
轟「？」
『何もすることなく、ただボーッとして１日を過ごして、もちろん出掛けたりゲームをしたり、身体を鍛えるというのも充実した休日だと思いますがボーッとするのは寝て過ごすと同じで凄く幸せだと思いません？』
轟「……」
『一旦��無��に出来たら楽になるじゃないですか』
白野の言葉は重みがある。
たしかにボーッとしてると何も考えられなくなって無になれる。
楽になれる。
轟「……白野」
『？』
轟「出かけねぇか？」
.
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冬雪(プロフ) - 夢桜さん» ありがとうございます。夢主気に入ってくれて大変嬉しく思います。 (2020年1月13日 1時) (
レス) id: 25f70c9881 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 遅いですが続編おめでとうございます！更新される度とても楽しく見させて頂いてます！！夢主さんの性格や話が読みやすくてとても大好きです！これからも頑張ってください！ (2020年1月13日 0時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます。光栄です (2020年1月2日 19時) (レス) id: e98b400c56 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - え、まって、めっちゃ上手！文章の書きかたが上手すぎてビックリしました！応援してます！ (2020年1月2日 18時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 寝不足猫ﾁｬﾝさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2019年12月25日 17時) (レス) id: 38a44182a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年12月1日 0時
