■80.普通の女の子に見えますか？ ページ31
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突然、緑谷くんに強く抱き締められた。
『……緑谷くん？』
緑谷「………っっもう！！」
『！？』
二の腕を掴まれて離されたと思ったら今にも泣きそうな顔が歪んだ緑谷くんが私を見据えた。
そして勢いよく私を揺さぶる。
緑谷「もう！もう！もう！！」
『(牛？)』
緑谷「なんで、君はいつもそうやって……っ」
『……えっと、』
緑谷「あの時も、今も……っ」
あの時……ああ、緑谷くんと初めて会った時か
あの時はたしかに無茶をしたような気がする。
……忘れたけど。
緑谷「本当に……死んじゃったかと……」
しかし緑谷くんを心配させて悲しませた事実は変わらない。
『すみません、緑谷くん。
実は私、もう１つ個性があるんです』
緑谷「……へ？」
『……死なないんです。どんな怪我でも一瞬で治りますし、私が起きている限り、この個性は私を守るように勝手に発動してしまうんです』
本当は、言いたくなかった
でもワケを話してしまえば、きっと緑谷くんは安心してくれると思ったから打ち明けたのだけれど当の本人はより一層悲しそうな顔をする。
緑谷「だからって無茶はしないでよ……」
『すみません』
緑谷「僕がどれだけ、……っ」
『でも私は死にませんよ？痛みは勿論ありますけど私は、』
緑谷「死が怖くないなんて、そんなの、人間じゃないよ！！」
緑谷くんの言葉が、頭に響く。
緑谷「でも、君は人間だろう！？体温も、心もあるなら君は人間で、女の子なんだよ！？女の子がこんな、こんな……っ」
『……』
緑谷「お願いだから、僕に守らせてよ……」
守らせてよ、なんて初めて言われた。
全部１人で守ろうとしたから。
私は緑谷くんの袖を掴んだ。
『緑谷くん』
緑谷「……？」
『私は、普通の女の子に見えますか？』
緑谷くんは私の右手を取ると自分のハンカチで私の右手を巻く。
緑谷「……うん、見えるよ」
『……！』
予想外の言葉に私は顔を上げた。
そして緑谷くんは自分が着ていたパーカーを私に着せる。
緑谷「僕に限らず、白野さんのことを大切に思っている人は、きっとみんなそう思っているよ」
そう言って緑谷くんは微笑んだ。
『……そう、ですか』
緑谷くんは、本当に優しい人だ
そんな彼に私は「ありがとうございます」と微笑み返した。
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夢桜(プロフ) - 夢を見たのは緑谷君かっ！最初から見させて頂いてます！とても面白いです！無理せず頑張って下さい！夢主ちゃんの性格好きだなぁ… (2019年11月17日 12時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
カロメG - この主人公の子の性格とても好きです！推しのホークスも出て来てて嬉しいです！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: e6da68bb26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年9月21日 15時
