■62.知りたくなかった ページ13
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手を差し出すと私の掌に手を乗せる轟くん。
どうやらかかっているらしい。
『(さて、どんな事をしよう)』
そういえば彼とは緑谷くんをからかったり爆豪くんに一緒に怒られたりはよくあるがちゃんと２人で話した記憶がない。
何故か気づいたら隣にいて、嬉しそうな表情をしていると思ったら突然不機嫌な表情になったり、彼をよく理解出来ていない部分がある。
『貴方の好きな食べ物は？』
轟「……蕎麦」
『貴方の好きなヒーローは？』
轟「……オールマイト」
『……』
……全部緑谷くんから聞いたことだ
『……私のこと、どう思っていますか？』
轟「……」
何を聞いているんだ私は
取り消そう。
そしてさっきのことは忘れてもらおう、そう思って催眠解除しようとした時、轟くんの口が開く。
轟「……俺の、１番嫌いな人」
『え』
知りたくなかった。
まさか轟くんは私のこと嫌いだったとは……しかも１番って。
自分から仕掛けた事だとしても多分暫くは立ち直れないと思い、心抉られた私は放心状態になりそうになる。
轟「……そして」
『？』
轟「俺の、１番好きな人」
すると轟くんは目を伏せた状態でポロポロと涙を流し始めた。
『！？』
な、何故、泣く……？
理解が追いつかなくて私は咄嗟に催眠を解かす。
轟「……終わったのか？」
『はい……』
轟「そうか。全然記憶がねぇ」
『まぁその方がいいというか……」
轟「俺にどんな催眠をかけたんだ？」
『知らない方が幸せというか……』
轟「？さっきからどうした白野、目が泳いでるぞ」
『……なんのことでしょう』
言えない
轟くんの矛盾的な本心を知ってしまった私はとても居た堪れない。
轟くんにとっての私は、１番嫌いな人で、
１番好きな人。
『……すみません、でした』
轟「どうした？俺がやってくれって言ったことだ。お前が謝る必要なくないか？」
『本当に……すみませんでした……』
催眠術なんて使ってはいけないのだ。
やる方が後悔するのから本末転倒もいいところだ。
私が俯いていると轟くんが私の頭の上に手を置いて「なんか怖いことでもあったのか？」と優しく聞いてくる。
『(……怖い？)』
そうか、私は轟くんに嫌われるのが怖いんだ
だからワケを話すのを戸惑っている自分がいる。
私は強くなったと思ったが、全然変われてない。
未だに他人に嫌われるのが、こんなにも怖いんだ。
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夢桜(プロフ) - 夢を見たのは緑谷君かっ！最初から見させて頂いてます！とても面白いです！無理せず頑張って下さい！夢主ちゃんの性格好きだなぁ… (2019年11月17日 12時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
カロメG - この主人公の子の性格とても好きです！推しのホークスも出て来てて嬉しいです！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: e6da68bb26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年9月21日 15時
