■61.好奇心旺盛 ページ12
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『(酷い目に遭った……)』
まだ猛犬(爆豪勝己)の歯型が腕に残っているためカーディガンを着て八百万さんから借りた催眠術の本を寮の近くにあるベンチに座りながら読み漁る。
『(犬になる催眠術……五感がなくなる催眠術、記憶を失う催眠術まであるのか……)』
個性でありそうな催眠ばかりだ。
一通り読み進めていると「白野」と呼ばれ、振り返ると轟くんが頭上から私を見下ろしていた。
轟「何読んでんだ？」
『催眠術の本です』
轟「お前もハマったのか？さっき八百万が上鳴に催眠術をかけているのを見た」
「なんか貴方は猫さんになります。にゃーにゃーですわ、とか」と轟くんが言う。
『(上鳴くんが実験台か)』
轟「白野も使えんのか？」
『使えるというか、私の場合、催眠術の個性を持つ人の特性を読み込んだ方が早いんですけどね』
轟「それもそうだな」
『先程も爆豪くんに試しに催眠術をかけましたが曖昧な催眠をかけてしまい猛犬になってしまい、失敗しました』
轟「……お前って爆豪と仲良いよな」
私の隣に座った轟くんの表情は何故か不機嫌そうで普段の無表情よりもなんだか子供みたいだ。
『そう見えますか？私は嫌われていると思います。他の女子にはしないようなプロレス技などを仕掛けてきますし、先程なんて問答無用で勝負を仕掛けてきましたから』
それを聞いた轟くんは不機嫌な表情から心配するような表情を浮かべている。
『それにどちらかというと私はよく轟くんに似ていると緑谷くん達から言われます』
轟「俺とか？」
『表情や性格、強いところなどなど』
轟「……そうか」
今度はなんだか嬉しそうだ。
どうやら今日は彼の表情筋は緩いらしい。
轟「なぁ俺にも催眠術をかけてくれ」
『え』
轟「かかってみたい」
『轟くんって好奇心旺盛ですよね』
轟「好きな催眠かけていいぞ。俺の身体を好きにしてくれ」
『言い方』
目を輝かせウェルカム状態の轟くんくんに内心苦笑いを浮かべながらポケットから糸をくくりつけた五円玉を出し彼の目の前でゆっくり揺らす。
『貴方は私の言う通りになるー……』
轟「……」
すると轟くんは目を伏せる。
顔を覗き込むと虚ろな目を浮かべ、どうやらかかったようだ。
なんだか爆豪くんといい轟くんといいすぐにかかってしまうから本当にかかっているのか疑わしい。
『……お手』
轟「……」
『あ、乗せた』
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夢桜(プロフ) - 夢を見たのは緑谷君かっ！最初から見させて頂いてます！とても面白いです！無理せず頑張って下さい！夢主ちゃんの性格好きだなぁ… (2019年11月17日 12時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
カロメG - この主人公の子の性格とても好きです！推しのホークスも出て来てて嬉しいです！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: e6da68bb26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年9月21日 15時
