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｢僕は、とある子と付き合っていたんだ。何ヵ月かつづいたんだけど、どうも疲れちゃって。失礼だけれど、僕はあまり本気でなかったから、その子に別れよう、と言った｣
Aは半ば呆れて笑った。
｢ひどい男だな｣
｢ふふ、でも付き合って欲しいと頼み込んできたのは向こうだよ。…そうしたら、彼女は冷めつつあった僕とは逆で、付き合ってからは一層僕を好きになっていたみたいで。彼女、いきなり泣き出したんだ｣
その口調は、他人の話をしているのかと思うほど淡々としていた。
｢そりゃあ、泣きもするな｣
｢それで、泣いていたと思ったら、今度はいきなり暴れだしたんだ。この話を切り出したのは僕の家だったんだけど…ひどいことになったよ。彼女は手当たり次第にコップだのリモコンだのを投げて、食器棚の中身をひっくり返して、カーテンを引き裂いたんだ。僕の家は強盗にでも入られたのかと思うくらいの惨状になった。親に申し訳なくなったよ｣
｢…それは、お前に同情するかも｣
｢とても怖かったよ。兄と二人がかりでようやく彼女を押さえつけて、泣き叫ぶ彼女をなんとか家に帰した。その時は暴れたわりにおとなしく帰ったんだ｣
｢その後に、何かあるのか｣
｢うん。僕はその次の日学校を休んだ。家を片付けなきゃいけなかったし、あまり行きたくもなかったから。
その翌日に学校に行ったら、クラスの男子も女子も皆、僕を睨んだり、指を差してひそひそと話し始めた。いきなりのことで、一体どうしたんだろうと思った。誰に声をかけても無視されたし、机には沢山悪口が書かれてた。机の中に入れていたノートもぐちゃぐちゃにされてた｣
Aはなんとなく察した。
｢言いふらされたのか｣
梅野はため息をついた。
｢そう。彼女はとても顔が広くてね。しかも自分の都合のいいように話を変えて広めたみたい。それから、僕はクラスに味方がいなくなった。…特に、男子｣
｢男子？｣
｢後で知ったんだけど、彼女は学年一の美少女と言われてたらしい。あんなに可愛い女の子を泣かすなんて許せないって、男子は一丸となって僕を非難してきた。クズとか最低だとか、たくさん言われた。たしかに間違ってはないけど、ショックだった｣
｢……｣
｢僕はそれからしばらくして、学校に行くのをやめた。というのも、クラスでいじめられてたってだけじゃなくて、もっとひどい出来事があったんだ｣
まだ何かあるのかとげっそりした。Aは、すでに梅野に感情移入しつつあった。
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天泣tenkyu(プロフ) - 読みやすい わかりやすい 面白い 、の三拍子ですね！笑めちゃくちゃ読むの楽しくて一気に全部読んでしまいましたぁ…… (2018年10月11日 20時) (
レス) id: daeb79a243 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(金欠）(プロフ) - 面白かったです。お疲れさまでした！ (2018年2月26日 5時) (レス) id: f13eb61b67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 面白いのに、勿体無いと思います。 (2018年1月21日 11時) (レス) id: 581099bb6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 読みづらい。 (2018年1月21日 11時) (レス) id: 581099bb6b (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - めっっっちゃおもろいです!!二人が再会できて良かったです!!更新頑張ってください!!q(^-^q) (2017年12月27日 17時) (携帯から) (レス) id: 76f089da6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺぺこ | 作成日時：2017年10月30日 0時
