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梅野はそっけなく訊いてきた。
「ふうん、楽しかった?」
「うん」
「そう」
「…」
Aはそこでハッとした。
(あ…俺、梅野を怒らせた?)
嫉妬だろうか、と思う。
(やばい、なんか、お兄さんとの時より怒ってる?)
三島との話で、Aが熱に浮かされたようになっているのは確かである。
ただしそれは、夢に燃える三島に触発されただけのことだ。綺麗になった三島にデレデレして浮かれているわけではない。
しかし、傍目にはそんなことは分からないだろう。可愛い女の子と二人きりで話して、鼻の下を伸ばし切っているように見えても無理はない。
(かなり怒ってるな。どうしよう…)
Aはとりあえず話をそらそうとした。
「梅野は？将来の夢、ある？」
「べつにない」
梅野の返事は素っ気なかった。
「そ、そっか…」
梅野はAから目をそらしながら言った。
「A。僕、Aが三島さんと一緒にいるのは嫌なんだ」
「えっ？」
梅野にしてはストレートな物言いに、戸惑った。
「いや、別に三島はただの友達だよ。確かに気心は知れているけど…」
「わかってるよ。だから嫌なんだ」
「…うん？」
梅野は怒りのせいか羞恥のせいか、頬を赤らめた。
「だって…だって、僕は三島さんのようにはなれないから。僕は三島さんみたいにAと長い間一緒にいる訳じゃない」
「…」
「浮気だとかは一切思ってないよ。むしろ二人は男女なのに、全然そんな感じじゃないし。変な例え方をすると、まるで男同士の友達みたいで」
「確かに、そんな感じだ」
次第に梅野は涙声になっていったが、Aは黙って最後まで梅野の話を聞くことにした。
「僕の入る余地なんてそこにない…中学生の時からずっと、そう思ってた。僕が三島さんに及ばない部分はたくさんある。三島さんは、僕の知らないAをたくさん知ってる。だから、悔しくて…」
梅野の言葉が途切れると、Aは彼をそっと抱き寄せた。
梅野の頭を撫でながら、その嗚咽を胸で受け止めた。
泣いている梅野の耳許に、優しく言葉をかけた。
「じゃあ、梅野は俺のことをもっとたくさん知ってくれ。他の誰にも負けないくらい。三島と俺が一緒にいた時間の、何倍もたくさん、二人で一緒にいよう。色んな所に行こう」
「……うん」
「それにさ」
Aは続けて言った。
「三島と会う機会は、たぶんこれから減るんじゃないかな」
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天泣tenkyu(プロフ) - 読みやすい わかりやすい 面白い 、の三拍子ですね！笑めちゃくちゃ読むの楽しくて一気に全部読んでしまいましたぁ…… (2018年10月11日 20時) (
レス) id: daeb79a243 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(金欠）(プロフ) - 面白かったです。お疲れさまでした！ (2018年2月26日 5時) (レス) id: f13eb61b67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 面白いのに、勿体無いと思います。 (2018年1月21日 11時) (レス) id: 581099bb6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 読みづらい。 (2018年1月21日 11時) (レス) id: 581099bb6b (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - めっっっちゃおもろいです!!二人が再会できて良かったです!!更新頑張ってください!!q(^-^q) (2017年12月27日 17時) (携帯から) (レス) id: 76f089da6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺぺこ | 作成日時：2017年10月30日 0時
