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頭が痛かった。半ば好奇心でアダルトサイトで男同士のそれを見たが、痛々しいというか、男女にはない妙な生々しさに心が少し折れた。ちょっと自分に置き換えて考えることは出来なかった。
(でもべつに、無理にすることもないか)
恋愛関係におけるABCは互いの合意の上でなされるものだ。付き合ってニ年も経つのにプラトニックなカップルもいれば、出会ったその日のうちにベッドインする二人もいる。関係を無理に進める必要も、ためらいすぎる必要もない。…らしい。
(いいや、もう。余計なこと考えないで、普通に楽しんでこよう)
梅野が何を求めているかもよくわからないのに、一人で突っ走ってはだめだ。
あれだけ彼への欲に悩んでいた中学時代が、確かにAにあった。でも、いざ自分のものになると、焦る必要もないように思える。
うん、とAは一人で納得して頷く。
…端的に言えば、Aはびびっていたのである。
＃
気がつけば冬休みで、気がつけばAは次期美術部副部長を押し付けられていた。
(副部長って必要なのか？)
疑問が浮かぶが、引き受けてしまったものは仕方がない。
そして気がつけば泊まりの日が来ていた。コンビニで適当に手土産(菓子)を買い込んで、梅野の家に向かった。
インターホンを押すと、梅野が出迎えてくれた。
｢あ、A…」
｢おう」
その梅野は、襟ぐりが大きめにあいた黒のセーターを着ていた。どうも彼は黒を好んで着るらしい。肌と色が対照になってよく映えている。
｢…えっと」
｢あー…」
｢Aくんじゃん。こんにちは」
甘酸っぱい沈黙に、フランクな声が割り込んだ。ひょこ、と梅野の後ろから彼に良く似た顔がのぞく。
｢こんにちは、お兄さん。今日はどうぞよろしく…」
｢ふふ、固いのはいいから。あがって」
言われるがまま家に上がり、リビングに連れてこられた。
｢どうぞ、座って…」
｢どうも」
瑞季はキッチンへと歩み、ゆったりと、しかし淀みない所作でお茶の準備を始めた。
(絵になるなあ)
｢おかまいなく」と言うのも忘れて彼を眺めていた。どうもこの兄弟といると、絵描きの虫が騒いでしまう。
しばらく待っていると、部屋に芳しい紅茶の香が満ちてきた。民族風の室内の装飾も相まって、まるで異国にやって来たかのような気持ちになる。
｢梅野の家、いつも紅茶出してくれるよな」
梅野が教えてくれた。
｢うちの決まりだよ…お客様には、紅茶」
(やっぱり、少し変わってるな。家ぐるみで)
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天泣tenkyu(プロフ) - 読みやすい わかりやすい 面白い 、の三拍子ですね！笑めちゃくちゃ読むの楽しくて一気に全部読んでしまいましたぁ…… (2018年10月11日 20時) (
レス) id: daeb79a243 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(金欠）(プロフ) - 面白かったです。お疲れさまでした！ (2018年2月26日 5時) (レス) id: f13eb61b67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 面白いのに、勿体無いと思います。 (2018年1月21日 11時) (レス) id: 581099bb6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 読みづらい。 (2018年1月21日 11時) (レス) id: 581099bb6b (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - めっっっちゃおもろいです!!二人が再会できて良かったです!!更新頑張ってください!!q(^-^q) (2017年12月27日 17時) (携帯から) (レス) id: 76f089da6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺぺこ | 作成日時：2017年10月30日 0時
