ゾロが子供を拾ってきた（番外編）

おりょうり2 ページ38

通りかかったナミに髪の毛を結ってもらい、Aサイズに仕立てられたエプロンを着用。





ｻﾝｼﾞ「常温に戻したバター100gをよく混ぜて、そこに砂糖80gを加えてさらに混ぜる」




おぼつかない手つきでゴムベラを扱うAは、サンジの指示で楽しそうに生地を作っていく。




ｻﾝｼﾞ「そうだ、上手だ」




割った際、しっかり殻が入ってしまった卵。




それを器用に取り除きながら、サンジはAのサポートをしていく。




初めてだから仕方ないと寛容に受け入れる彼はきっと良い父になるであろう。




ｻﾝｼﾞ「よし、このほぐした卵1個を2、3回に分けて入れながら混ぜる」




入れるのはサンジ、混ぜるのはA。




上手に役割分担をして順調に作業を進める。




後ろの椅子ではチョッパーが心配そうにAを見守っている。




ｻﾝｼﾞ「これに、薄力粉240gを加えてさっくりと混ぜる」




『さっくり？？』




今までの混ぜ方との違いがわからないAははて？と首を傾げた。




サンジはAの後ろに回り込み、彼女の手の上から自分の手を被せ、一緒に混ぜる。




ｻﾝｼﾞ「切るように混ぜるんだ」




チョッパーの隣にはいつのまにかブルックが腰掛けていて、同じようにAを見守っている。




ｻﾝｼﾞ「手でひとまとめにして、ラップをして30分ほど寝かせる」




冷蔵庫の中に生地を入れれば、名残惜しそうにAがそれを見ている。




食堂にいる四人で仲良くおしゃべりしながらババ抜きをしていれば30分なんてあっという間なのだ。




ｻﾝｼﾞ「うっし、そろそろいいかな」




サンジの言葉を合図にAは勢いよく立ち上がりキッチンへと戻っていく。



ｻﾝｼﾞ「あとはお待ちかね、型抜きの時間だ」




大量の型抜きを見て、Aは目を輝かせた。




『ハートに、星に、うさぎさんもある！』




無論、サンジは丸型しか使わない。



ﾁｮｯﾊﾟ「ナミとロビンはほんとAに甘いな！」




ｻﾝｼﾞ「これを、予熱した170度のオーブンで15分焼く。焼きが甘かったらプラスで焼いていく」





香ばしい香りがサニー号に広がった。




ｻﾝｼﾞ「よし、完成だ」




湯気を立てているクッキーはまだ柔らかい。




温かいまま頬張れば、甘さ控えめなクッキーの美味しさが口の中で弾けた。




『おいし〜い！！』

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