67 ページ20
.
晩ご飯を食べ終えたAは少し出掛けてくるね、と伝えオンボロ寮を出た。
その腕の中には先ほどトレイから受け取ったマロンタルトが乗ったお皿がある。
しばらく歩くと鏡舎のある建物が見えてきた。
その前で少し待つと1人の生徒が鏡から飛び出してくる。
「お待たせッス、A！」
『ラギー来てくれてありがとう。ごめんね、夜遅くに』
「全然！それにレオナさんならもう寝てるんでバレないッスよ」
『それなら良かった。一切れしかないから、約束してたラギーにって思って』
マロンタルトの乗ったお皿をラギーに渡すと嬉しそうに彼の尻尾が揺れる。
「甘いいい匂い…めちゃくちゃうまそうッスね！」
『ふふ、お味は保証するよ。帰ってゆっくり食べてね』
「カケラも残さずに食べるッス。暗いし寮まで送るッスよ」
『うぅん、大丈夫、一人で帰れるよ』
「ダーメ。ほら、行くッスよ」
Aはラギーに手を引かれオンボロ寮へと歩き、話をしているとあっという間に着いてしまった。
オンボロ寮を見上げるラギー、恐らくこう思っているのではないか。
「これは、また趣のある……」
『あははは…。送ってくれてありがとう』
「こっちこそいい物貰ったんで。……ねえ、A」
『ラギー…？』
ラギーが繋いでいたAの手を強く握る。
Aは彼の雰囲気が変わったように感じた。
「もし、オレが悪いことをしたとするッスよ…そうしたらAはオレのこと、嫌いになる…？」
Aの目をじっと見つめながらラギーは不安そうに聞いてくる。
『……ラギーがどんな悪いことをしたとしても嫌いになんて絶対にならない。私、ラギーのこと大好きだもん』
「シシシッ、オレもAが大好きッス。変なこと聞いてごめん。んじゃそろそろ戻るッス、おやすみ！」
『うん、おやすみ、ラギー』
暗闇に消えて行くラギーを見つめるAは去って行く彼の背中に不安を覚えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ここ(プロフ) - 葵さん» 葵さん、お返事がかなり遅くなってしまい申し訳ございませんっ！何故か通知が届いておりませんでした…。推し…尊いですよね！叫びたくなるお気持ちとてもわかります！応援ありがとうございますっ、頑張ります(*^_^*) (2021年8月1日 23時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 私もツイステしてるんですけど、おしが尊すぎて、叫んでは、うるせぇ！と怒られます(笑)これからも応援してます！頑張って下さい！ (2021年4月5日 13時) (レス) id: 6c3b400c86 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 出雲(あやりん)さん» 出雲さんツイステの事、お詳しいんですね！ツイステのゲームしてますよ、面白いですよね♪ツイステのゲームを知ってる私はヤベーやつですね（笑） (2020年11月4日 18時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
出雲(あやりん) - 僕、結構ツイステの事詳しいわ！もちろん名前も知ってる...って！ツイステのゲームしてます？面白いですよ！←知ってるとかヤベーやつw (2020年11月4日 17時) (レス) id: acd3599fae (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 星猫さん» 星猫さんお仕事が早い…！タイトル等決めてくれてありがとうございます^_^これからよろしくお願いします。 (2020年9月16日 13時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ここ
| 作成日時：2020年9月9日 7時
