星に願いを、貴方に祝福を【リゼロ】 (ページ4)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:22,698 hit

. . . 渋い感じの方が好きです。ページ4

猫を追いかけ、路地を駆け抜ける。

誰もいないだろうと思われた路地の中、人影が現れる。

下を向いて走っていたばかりにぶつかってしまった。

人間、いきなりの事は反応出来ないのだ。エルフだけども。

｢よぉ嬢ちゃん。お前さんが俺にぶつかってきたのなら覚悟は出来てんだろうな？｣

｢貧民街の裏ボスと呼ばれる俺達に歯向かうのなら分かるよな？｣

ニヤニヤと下衆な笑を浮かべる目の前の男達は身体が目当てらしい。

正直言って余裕で勝てる気がする。

新しい魔法の実験台となってもらうかな？

そう思案していると後ろから声が掛かり、頭を撫でられる。

ｲ”ｪ"ｱ”

｢いや～悪い悪い、待ったか？｣

｢待ってない。手離せよ、縮むだろ。｣

振り返ると黒髪黒目の珍しい服を着た少年が立っていた。

仮にクロ君とでも呼んでおこう。

どうやら恋人の振りをするらしいが。めんどくさい。

｢彼氏か。ふんっ、一人増えた所で有利になったと思うなよ。｣

｢愚図が。相手の強さを見極められないとは、残念な頭をしているな。｣

｢ちょ、おい！｣

男達は腹を立て、今すぐにでも襲ってきそうだ。

クロ君は焦った声を出す。そして、何かを決意したように叫ぶ。

｢衛兵さーーーーん！！！誰かーーーーー！！男の人呼んでーーーーーー！！！｣

プライドも何も無いらしい。見てるこちらが恥ずかしくなる。

まさに他力本願だな。まあいい。

軽く捻るとしよう。

｢そこまでだ！｣

｢は？｣

思わず素っ頓狂な声が出てしまう。

目の前には1人の青年が立っていた。

まず目に付くのは燃えるような赤い髪。それと空色の瞳。

完璧な美形って嫌味だよね。

次に剣。竜爪が刻まれた鞘は剣聖と名高いアストレア家の印。

恐らく、現在の剣聖だろう。

完璧な美形って嫌味だよね。(2回目)