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なんやかんやあった半年後────


「結婚を前提に、お付き合いしていただけないでしょうか?

お願いします!」


「………」


勤務終了後、夜。


尚ちゃんからの連絡で、我らがMERの喜多見チーフの家にいた。


今日は久しぶりに、外食しよっかって 話をしていたのに、その予定は大幅にズレ、何故か赤塚知事の手料理で、夕食が終わることに。


そして、それを手伝っていれば、私の目の前ではチーフが尚ちゃんに、真っ赤なバラの花束を差し出している。


「固い、喜多見くん!」


「えっ…」


「重い、結婚前提とか。

Aさんも、そう思うわよね?」


『うんうん、前提なんて付けてもどうせするんだから、結婚してください、の方がいいと思います』


「普通に誕生日お祝いするだけにしましょうよ」


「ダメ。こういうのはね、誰かが強引にやらないといけないの。

縁談おばさんとお姉さんの言う通りにしなさい」


『いや、お姉さんって歳でもないんだけど…』


高輪先生の元旦那のチーフに、先生の誕生日の日にプロポーズをさせよう、って連絡をしてきたのは、紛れもないこの赤塚知事。


最初は、私だけが行くはずだったんだけど、たまたま迎えに来てくれていた尚ちゃんに丸め込まれた。


「何て言えば良いんですかね?」


「その前に、部屋を片付けた方がいいのでは」


「えっ、これでも片付けたんですけど」


『あ、やっぱり私、チーフのお宅訪問して炊事洗濯、やっぱり、』


「Aはなにも関わるな。ただでさえ、救命医との両立で疲れてるだろ」


『まっ…否定できない……』


「それと、私ではなく赤塚知事で練習するべきだと思います。」


「女性を練習台っていうのはさすがに……」


「私も、気持ちのいいものではありません」


「ですよね。」


「あら、音羽さん。私は最初、Aさんを指名していたんだけど?」


「それは尚更良くない。

赤塚知事、彼女はもう結婚もしているんです。そういったことは、練習であってもやめて頂きたい」


「まぁまぁ……男の嫉妬は見苦しいわよ。」


「すいません、何か色々お願いしちゃって。A先生も、お疲れのところなのに」


あぁ、尚ちゃんのせいでチーフまでもが私の事を労り出してる。疲れてなんかないのに……。


「赤塚知事に駆り出されただけですから。Aに関しては勤務後に」


「……ですよね」


あぁ……尚ちゃんの攻撃で、チーフがどんどん撃沈していってる……私は大丈夫なのに……

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設定タグ:TOKYOMER , 音羽尚   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2023年4月16日 22時

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