+ 陸ノ巻 - 伊達 - ページ5
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家康と武田の戦いの場へ、Aがまさか行くとは思わなかった俺は、ただ去っていく彼女の背中を見ることしか出来なかった。
なかなか戻ってこない彼女を、走ってでも追いかけに行けばよかった。このまま行かせたら、俺のところに、もう戻ってこないんじゃないか、そんな事が脳内を占めていて、ようやく我に返ったときは、決闘が終わりスクリーンが切れた後。
彼女がいない学校など、楽しくもない。早退きをしようと、立ち上がると、日下部が近寄ってくるなり、外のベンチへと連れていかれる。
「伊達くん、早退きされるのですか？」
「ああ。
Aがいない時間を、ここで過ごすのは面白くない。」
「黒百合高校とのことは？皆さんで、話し合わなくてもよろしいのですか？」
「私は、彼らの考えを信じる。それだけではダメか？」
「いえ……」
「なら、話は済んだ。」
家康と引けを取らない、いや、奴以上に上回っていた黒百合高校の始皇帝とかいう男。
奴の敗北を望む相手か、家康を信長筆頭に倒すか、話し合いに参加はしたが、今の俺には何も入ってこない。日下部も、俺の意見を聞きたいんだろうが。
帰るために背を向ければ、日下部が再び呼び止めるから、流石の俺も小さな怒りを覚え、文句を言おうと立ち止まる。
「本題は、ここからです」
「なんだ。」
「Aさんのことです。
なぜ、彼女が武田くんの元へ向かったのか。伊達くんは、何か勘違いをしているのかもしれないと、感じたので呼び止めたんです。」
「……勘違いをしているのかもだと？何を言うんだ、日下部、」
「Aさんは、武田くんへの思いに決着をつけるために、彼の最後の願いを叶えるために、向かわれたのです。」
彼女から聞いたことがない話に眉を寄せると、日下部は俺の反応を見ては、更に話を続けた。
「Aさんはちゃんと、伊達くんと武田くん、どちらに想いを抱いているのか、答えをきちんと出されています。
だから、伊達くんは、Aさんを信じてあげてください。信じて、待っていてください。」
「俺は、いつも彼女を信じてるさ」
「なら、なぜ先程からずっと上の空なのですか。
Aさんのことを信じているなら、ここで待っていれば良いではありませんか。彼女は、必ず、伊達くんの元に戻ってきます。」
俺の思考を見透かされているような言いぶりに、何も言えなくなると、どこかへ行っていた黒田から、Aが戻ってきたとの連絡が入った。
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阿部葵(プロフ) - とても面白かったです!! 更新待ってます!! (7月13日 15時) (
レス) @page39 id: 9bdf52cb2f (このIDを非表示/違反報告)
菫蝶 - とても面白かったです！続き待ってます(*^^*) (2023年3月21日 17時) (レス) @page39 id: 33064cca65 (このIDを非表示/違反報告)
オタくん♀(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます☺️ゆっくりでも更新してくれて嬉しいです!大大好きの作品なので最後の最後まで読み続けます！頑張ってください！応援してます😘 (2022年10月20日 16時) (レス) @page39 id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - ゆっくりでも再開してくれて嬉しいです！！大好きな作品なので最後まで読み続けます！！ (2022年10月12日 17時) (レス) id: 6b85baa8bf (このIDを非表示/違反報告)
siki(プロフ) - くそぉぉお！！！好きすぎるッ！！！！ニヤニヤしちゃうじゃんかこんなの！！！不可抗力！！ (2022年10月10日 21時) (レス) @page38 id: 3fe02dba58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2022年9月4日 22時
